e科学技術政策 競争力を高め成長戦略の要に

  • 2014.12.18
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年12月18日(木)付



科学技術イノベーション(新しい技術や考え方を取り入れることによる社会変革)は、自公連立政権が進める経済政策の「第3の矢」である成長戦略の重要な柱の一つだ。


今月、都内で開かれた内閣府主催のシンポジウム「日本発の科学技術イノベーションが未来を拓く」で、日本の経済・産業競争力にとって重要な10の課題の詳細が明らかになった。具体的には、(1)省エネや再生可能エネルギーの導入拡大を実現する次世代パワーエレクトロニクス(2)軽量で高強度な革新的構造材料(3)次世代海洋資源調査技術(4)社会基盤の維持管理・更新技術―などである。これらに関する研究開発が今後、本格的に動き出す。実用化に向け、粘り強く支援すべきであろう。


10の課題は、政府が進める「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の下で選定された。SIPは、科学技術の基礎研究から実用化・事業化までを見据え、規制緩和、制度改革の取り組みを実施していく。5年かけて開発した技術については国が積極的に活用する方針も明らかにされており、研究開発に携わる者の大きな励みになっている。SIPにより科学技術の産業化が促されることで、経済の一層の活性化が大いに期待できる。公明党もSIPの拡充と推進を訴えている。


SIPの司令塔を担う「総合科学技術・イノベーション会議」(議長・安倍晋三首相)の機能が、今年5月から施行されている「内閣府設置法の一部を改正する法律」によって強化されたことも重要だ。この結果、同会議は各省よりも一段高い立場から、分野を超えた総合的な科学技術政策を立案し、予算も自ら配分できるようになった。


各国でも、経済成長と国際競争力を維持するには科学技術イノベーションが重要であると認識されており、国を挙げての政策を進めている。科学技術分野で世界をリードする米国は、研究開発費全体における政府負担比率が、他国と比べて圧倒的に大きく、科学技術政策こそ、成長戦略の要であると考えられている。


日本も世界トップクラスの「イノベーション立国」をめざし、先駆的で優れた研究開発を支援する科学技術政策を、さらに進めていきたい。

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