eコラム「北斗七星」

  • 2014.11.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年11月19日(水)付



落語の世界には「フラ」という言葉があるらしい。浅学非才の身には分からなかったが、「言いがたい『おかしみ』」という意味。山藤章二氏の『ヘタウマ文化論』(岩波新書)で教わった◆柳昇は「春風亭柳昇と言えば、いまやわが国ではアタクシひとりで」とぶった。かつて昇太は着物の袂からインスタントカメラを取り出して客席を写し、「こんなにいっぱいお客さんが居るということを、おふくろに見せたくて」と。フラは笑いを誘う力なのだ◆熱戦が続く大相撲九州場所。注目力士、関脇・逸ノ城についても、山藤氏の見方は面白い。氏は当初、ラジオで「イチノジョウ」と聞き、てっきり「一ノ城」と思っていたらしい。ところがTVで「逸ノ城」と書くと知り、少しがっかりしたという◆理由が振るっている。「逸」という字には「秀逸」のほか、「後逸する」という、正と負のイメージが同居するから。一ノ城なら、「天下無敵の戦国武将みたいだし、子供でも読めるし、サインもしやすいし、いいことずくめ」(『ブラック・アングル』週刊朝日)とあった◆言葉が力を持つのは万般に通底する原理だ。公明党は「いまこそ、軽減税率実現へ。」を掲げた。「人定まれば天に勝ち、志一なれば気を動かす」とは『菜根譚』(岩波文庫)の一節。野合は必ず崩れる。"大衆のために"と練った政策、言葉を語り抜き、勝利したい。(田)

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