e職業能力の評価 「見える化」で正社員化を促せ

  • 2014.10.21
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年10月21日(火)付



対人サービス業を含めた職業能力を評価する新たな業界検定制度の創設に向けた論議が、厚生労働省の労働政策審議会で本格化している。年内にも結論をまとめる予定だ。

ものづくり分野には、機械加工や金型製作などで国の「技能検定」制度があり、定着している。身に付けた能力や経験が客観的に評価されるため、働く人が技能を磨く励みとなったり、採用選考や人事評価に役立っている。

しかし、接客や商品販売、苦情対応をはじめとするサービス業は、就業者数の7割を占めるものの、既存の国家資格や検定といった公的な評価制度がない職種が多い。

働きぶりが十分に評価されないこともあって、非正規雇用の人が、いくら経験を積んで能力を高めても正社員になれないケースは珍しくない。

非正規社員の正社員化など働き方の改善を促すには、社会全体の総合的な支援が必要なことは言うまでもないが、新たな能力評価の"ものさし"をつくることは、その一助となる。企業側も労働者の自発的な技能向上が期待でき、生産性の向上につながる。取り組む意義は大きい。

新しい業界検定制度のあり方については、業界団体が実践的な職業能力を評価する手法を開発・運用し、国が、その質を保証する方向で議論が進められる見通しだ。

既に厚労省は今年度からモデル事業に着手し、「派遣・請負」「流通」「健康」「学習・教育」の4業種で業界検定の構築をめざし、検討を重ねている。

業界ごとに仕事の内容や求められる能力は大きく異なる。客観的な評価が容易ではないケースもあろう。どのような手法が有効なのか、モデル事業の教訓を生かしながら、業界のニーズをくみ取った評価制度を設計してほしい。

また、非正規で働く人は経済力が乏しい場合が少なくない。制度の普及には、そうした人も利用しやすい仕組みにしていく必要がある。

能力評価の整備と同時に、キャリアアップのための職業訓練の内容を充実させていくことも欠かせない。

職業能力の「見える化」を進め、労働市場全体で人材力を強化する機会にしたい。

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