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  • 2014.10.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月5日(日)付



政サービスの充実と産業・雇用の確保を施策の両輪で



公明党の山口那津男代表と井上義久幹事長は、10月1、2の両日、衆参両院の本会議で安倍晋三首相の所信表明演説に対する代表質問を行いました。その中で、地方創生の取り組みや、相次ぐ自然災害への対応、経済再生、女性・若者支援、子育て支援の推進などを訴えました。公明党の主張のポイントと、論戦に対する識者の反響を紹介します。


山口代表、井上幹事長の代表質問から



地方創生

「地方創生のキーワードは『人』です」。井上幹事長はこう力説し、医療・介護などの行政サービスの充実と、地域で生計を立てられる産業・雇用の場の確保について、「この両輪をかみ合わせ、安心して住み続けられる地域をつくっていく。それが地方創生だ」と訴えました。

その具体策として、高齢者が地域の中で、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」構築の重要性を指摘。認知症対策と介護人材の確保にも全力を挙げるよう要請しました。また、都市部の若者が過疎地で暮らしながら地域協力活動を行う「地域おこし協力隊」に触れ、「大きな成果を挙げており、さらに事業を拡大すべき」と求めました。

安倍首相は「介護人材確保に向けた総合的な方策を講じる」「地域のブランド力の向上を含め、効果の高い政策を集中的に進めていく」と応じました。

一方、山口代表は「『人が生きる、地方創生』でありたいと強く思う」と強調。人口減少問題を乗り越えるため、若い世代の就労・結婚・子育ての希望が実現できる社会づくりや、東京への過度な人口集中の是正などを喫緊の課題として指摘し、「地方の自主性を尊重し、潜在的な力を引き出すための施策を」と訴えました。

安倍首相は「地方の発意に基づく自主的な取り組みを国が後押しする」と述べ、地域の個性を尊重していく方針を示しました。


火山活動の警戒体制万全に。自治体のインフラ保守を支援


防災・災害対応

安否不明者の捜索が続く御嶽山の噴火災害について井上幹事長は「救助活動に全力を挙げるとともに今後の火山活動に対する万全な監視・警戒体制を敷き、周辺住民の安全の確保、降灰による農作物への被害の拡大防止を」と要請。安倍首相は、「防災対策にスピード感を持って取り組む」と答えました。

また、今年は広島の土砂災害をはじめとする豪雨でも甚大な被害が発生しています。山口代表は、災害情報の提供や利活用のあり方に触れ、「(今国会で)災害リスクコミュニケーションの議論を深め、被害の防止にあらゆる努力を払う必要がある」と力説しました。

一方、山口代表は、今年7月から、橋やトンネルなどを管理する地方自治体に施設の点検・診断が義務付けられたことに関して、「地方自治体の支援策を地域の実情に応じて進めていただきたい」と要望し、太田昭宏国土交通相(公明党)は「今後も支援を充実していく」と述べました。

山口代表は、東日本大震災の復興加速について言及し、「仮設住宅は3年が経過した今、劣化・腐食などが進み、生活に支障が出てきている」と指摘。さらに、避難生活が長期化する被災者の健康・生活支援や心のケアなど、「ソフト面の対策にもこれまで以上にしっかり取り組む必要がある」と訴えました。
過度な円安への対策迫る。軽減税率の制度設計急げ
経済再生、成長戦略

山口代表は、景気に「緩やかな回復基調が続くものの、一部に弱さが見られる」との懸念を示し、「過度な円安によるコスト面の上昇が、特に家計や中小企業に深刻な影響を及ぼすことがないよう、政府・日銀が連携して為替安定に努めてほしい」と求めました。

消費税率10%への引き上げ判断に際し、山口代表は「(景気の下支えへ)必要に応じて補正予算の編成も含めた万全の対策を講じるべき」と提案。軽減税率の導入については、井上幹事長が「与党間における合意に沿って、制度設計を急ぐべきだ」と指摘しました。

一方、今年改訂した「日本再興戦略」について、山口代表は、「着実に実行に移し、持続的な経済の好循環を生み出すことが肝要」と強調した上で、「地域経済への波及効果が大きい観光に力を入れることが期待される」と訪日外国人の受け入れ体制の整備や、地域の魅力を再発見・発信する取り組みを積極的に行うよう求めました。

井上幹事長は、成長戦略を本格的な軌道に乗せる上で、「経済の再生、成長のカギは、地域経済の活性化にある」と指摘。中小のサービス業を中心に、経営・金融支援の強化や人材教育、IT(情報技術)の活用などによる生産性の向上を図る必要性を強調しました。その上で、「地域の自主性に基づいた地域の好循環の実現に向けた取り組みを」と国の積極的な支援を求めたことに対し、安倍首相は「地域の成長を後押しする成長戦略の進化に取り組む」と答えました。


多様な働き方をサポート。危険ドラッグの対策強化も


女性、若者、子育て支援

女性や若者が活躍できる環境づくりは重要な政治課題です。

山口代表は、女性の登用促進や長時間労働の是正、在宅テレワークなど多様な働き方への支援を要請。安倍首相は、公明党女性委員会の提言を踏まえ、女性を応援する施策を「全ての女性が輝く政策パッケージとして近く取りまとめる」と答弁しました。

また、山口代表はストーカー・DV(配偶者などによる暴力)被害に対しては、加害者の再犯防止策などを求めた上で、ストーカー規制法の再改正を前提に「新たな対策の具体化を急ぐべきだ」と訴えました。

若者政策では、井上幹事長が雇用対策の強化として「キャリアアップ助成金の活用などによる非正規労働者の正社員化など、創業・起業支援など、未来を担う若者が活躍できる環境整備に努めるべきだ」と強調。

山口代表は、深刻な社会問題となっている「危険ドラッグ」については、取り締まりの強化や相談・治療体制の整備、薬物依存症対策など、総合的な対策の強化を提案しました。

一方、社会保障と税の一体改革で公明党が強く主張してきた子育て支援の充実も重要です。山口代表は、来年4月から本格実施される「子ども・子育て支援新制度」の柱である「認定こども園」に関し、「大規模園ほど公定価格が現行の水準より低くなる」など制度上の問題を指摘する声を紹介しました。これに対し、安倍首相は「制度が着実かつ円滑に実施できるよう対応する」と答弁しました。


識者の反響


地域の現状に即した処方箋を

東京大学公共政策大学院客員教授
日本創成会議座長
増田 寬也氏

地方創生の要について、山口代表と井上幹事長はいずれも「人」の重要性を強調されました。「生活者の視点」を大切にしてきた公明党らしい着眼点であり、地方創生の本質を言い表したものと言えます。

行政サービスの提供をはじめ、産業の振興や雇用の確保など、地方が抱えるさまざまな課題の解決には、「『人』が安心して住み続けられる」という視点が欠かせません。そのためにも、政策の実施に当たっては、実情に合わない縦割り行政的な政策、国からの全国一律的な政策ではなく、地方自治体の現状に即した処方箋が必要です。地域に密着した公明党地方議員の活躍に期待しています。

臨時国会では地方創生の関連法案が審議される予定です。「地域経済を活性化させる」「そこに住む人の生活を大切にする」「希望する人が結婚・出産でき、子育てしやすい環境を整備する」ことを、いかに実現していくか。活発な議論を通じて、その具体策を国民に分かりやすく示してほしいと願います。


安心の暮らしへ具体策提言

恵泉女学園大学大学院教授
大日向 雅美さん

安倍首相の所信表明演説は理念や決意は語られていましたが、具体性に乏しい点がありました。その点、公明党の代表質問は各施策の中で、看過できないポイントを取り上げ、具体的な答弁を首相に求めていた点を高く評価します。

特に「子育て支援」「女性の活躍」「働き方の改革」「教育」は、全ての人が安心して暮らせる社会を構築するための要ですが、財源確保や子どもの貧困対策などをピックアップして、鋭く迫っていました。また女性の活躍促進については、公明党の女性議員は全国各地を歩き、生活の困難に直面しながらも、地域で地道な活動を積み上げてきた女性たちの声を拾い、施策として提言されています。介護・看護・保育職の女性が厳しい労働条件に置かれている現実に焦点を当てていくことも女性の活躍促進であり、成長戦略でもあると思います。

平和と社会保障の問題に先鞭をつけていらした公明党ですので、上記四つのテーマを構造的につなぐ視点をさらに明確に打ち出し、持続可能な社会保障制度の構築をめざすなど、引き続き、連立政権与党として是々非々の姿勢で政府に力強く迫ることを期待します。

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