e危険ドラッグ 4469人(過去5年半)救急搬送

  • 2014.09.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年9月20日(土)付



公明提案、消防庁が初調査



総務省消防庁は19日、危険ドラッグが原因とみられる救急搬送者が、2009年1月~14年6月の5年半で4469人に上ったとする全国調査の結果を発表した。同庁が危険ドラッグによる搬送状況を調査、公表したのは初めて。

子どもの非行や薬物汚染対策に取り組んでいる「夜回り先生」こと、水谷修氏から相談を受けた公明党薬物問題対策プロジェクトチーム(PT、谷合正明座長=参院議員)の浜田昌良参院議員が実施を求めていたもの。

調査では、09~11年の3年間は救急搬送者が717人だったのに対し、12~14年6月の2年半は同3752人と、大幅に増加していることが明らかになった。都道府県別では、東京1130人、大阪536人、神奈川512人、愛知416人(いずれも09~14年6月の総計)など、大都市圏が上位を占めた。

一方で、09年は「搬送者ゼロ」の道県が33あったが、14年は6月時点で5県のみ。過去5年半を通じて一度も搬送者が出なかった都道府県はなかった。スマートフォンの普及などでインターネット販売が活性化したことが、薬物汚染の拡大につながったとみられる。

今回の調査は、全国の消防本部が管理している救急活動記録から「ドラッグ」「ハーブ」「脱法」といったキーワードを検索し、搬送件数を集計した。救急隊員の記録の付け方で、キーワードが残らない場合もあるので、消防庁は「一つの参考値」としている。

調査結果を受け、浜田氏は「数字の裏側には何十倍もの使用者が隠れている。対策強化は喫緊の課題だ」と強調。その上で、罰則対象の指定薬物を拡大しても、化学構造をわずかに変えて規制を逃れたドラッグが次々に生産される"いたちごっこ"が続いている点を踏まえ、「危険性を広く伝え、まず『手を出させない』取り組みが重要だ。党PTとして啓発活動の推進などに努める」と述べた。



全国に拡大、対策強化急げ



「夜回り先生」水谷修氏

調査結果を見て何よりも問題と感じたのは、救急搬送件数ゼロの都道府県が5年半で一つもないことだ。覚せい剤などの違法薬物は、摘発を避けるためにインターネット販売が少なく、ある意味で都市部特有の問題だった。ところが危険ドラッグは"合法ドラッグ"などと称され、ネット販売で全国に広がっていった。

もはや、どんな田舎も薬物と無関係の安全地帯ではない。危険ドラッグによる死亡事例や自動車事故が発生しており、早急に国家的な取り締まり強化が求められる。学校でも危険ドラッグの恐ろしさ、法律上の問題を徹底し、子どもたちが自ら「危険ドラッグはNO!」と言える意識づくりをしなければならないだろう。

今回の調査結果によって、今まで薬物汚染問題を人ごとだと思っていた自治体も動かざるをえない。公明党の地方議員は、自分の市町村にも危険ドラッグが入り込んでいるという前提で、薬物の撲滅を後押ししてほしい。



薬物の恐ろしさ学ぼう



矢倉氏が乱用防止キャラバンカー視察

公明党の矢倉克夫参院議員は19日、千葉県野田市立木間ケ瀬小学校を訪れ、財団法人「麻薬・覚せい剤乱用防止センター」が行っている、キャラバンカーを活用した薬物乱用防止の啓発活動を視察した。

車内は、薬物乱用の恐ろしさをパネルや映像を通して体感的に理解できるよう工夫されており、児童と一緒にキャラバンカーを体験した矢倉氏は、「子どもが薬物の危険性を学べば、その知識は家族などに広がる。重要な取り組みだ」と述べた

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