e水害対策 先進的な取り組みを全国に

  • 2014.08.18
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年8月18日(月)付



四国や近畿を縦断し、記録的豪雨を観測した台風11号に襲われた地域の復旧作業は、今も続いている。近年は極端な気象により、水災害が激化する傾向にあり、対策を強化しなければならない。

水災害で関心を集めているのが、「タイムライン」と呼ばれる行動計画だ。これは台風が近づく段階から、あらかじめ時間軸に沿って必要な対応を定めておくものだ。

2005年のハリケーン・カトリーナ災害を被った米国では、この仕組みを導入している。

12年のハリケーン・サンディへの対応では、ニューヨーク地下鉄がサンディ上陸1日前に、乗客に知らせた上で地下鉄の運行を停めた。地下鉄8駅に水没や浸水被害が生じたが、2日で一部区間の運行を再開させている。災害対応の経験が少ない知事らを支援するために政府が専門家を各州に事前に派遣していたこともあり、ニュージャージー州では上陸の36時間前に州知事が住民に避難を呼び掛けて、減災に効果を発揮した。

日本でも取り組みが始まった。7月の台風8号の日本列島上陸時には、国土交通省を中心としてタイムラインを実施した。山形県最上川流域で避難勧告が的確になされたことなどを例示し、太田昭宏・国交相は、同月11日の会見で「具体的な効果が出た」と述べ、タイムラインの普及・充実を進める考えを強調している。

避難勧告の在り方は、和歌山県の取り組みも先進的である。同県内では従来、市町村長が「必要があると認めるとき」という抽象的な基準で、防災担当者が発令のタイミングを決めていた。県は、これを改め「累積雨量が400ミリを超え、30ミリ以上の雨量が予測される」などと数値で基準を具体化。防災担当者の経験だけに頼らない、客観的な発令基準の策定を市町村に促し、担当者が、人事異動でいつ代わっても対応できる仕組みへと改善している。

ここ数年、災害で大被害を受けた地域では、先進的な対策を積極的に取り入れているが、まだまだ少数にすぎない。どうすれば、被害を最小限に食い止められるか、専門家も巻き込んで真剣に検討してもらいたい。

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