e新たな安全網を構築

  • 2013.12.27
  • 生活/生活情報
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公明新聞:2013年12月27日(金)付



相談窓口、住居確保、就労など生活保護周辺の対策強化
成立した生活困窮者自立支援法
桝屋党プロジェクトチーム座長(衆院議員)に聞く



経済的に困窮している人を早期に支援するための生活困窮者自立支援法が、先の臨時国会で成立した。同法には公明党の主張を反映した自立支援策が数多く盛り込まれている。そのポイントなどについて、党生活支援プロジェクトチーム(PT)座長の桝屋敬悟衆院議員に聞いた。



地域福祉の充実へ全力



―法律の背景は。

桝屋座長 厚生労働省が発表した最新の調査を見ると、生活保護の受給者数は約216万人、受給世帯は約160万世帯で過去最多となっています【グラフ参照】。一時期に比べ伸び率は鈍化傾向にありますが、依然として増加傾向にあります。

特徴的なのは、働ける年齢層を含む「その他世帯」の割合が増えていることです。2002年度の約8%から、12年度には18%と倍増しています。リーマン・ショック(08年)以降の日本経済を如実に反映しているといえます。

一方で、働きたくても働けない、働いても最低限度の生活を維持できない人が増えているのも事実です。非正規雇用の増加に加え、「貧困の連鎖」も指摘されています。これらの背景から、今回の生活困窮者自立支援法が必要になったのです。



―同法の意義は何ですか。


桝屋 生活保護に至る前に、困窮状態から早く脱してもらうとともに、困窮者支援を通じて働く場や地域のネットワークづくりなどを進めます。生活保護制度の周辺に、新たなセーフティーネット(安全網)を構築することが目的です。

これまでも生活困窮者対策は、予算事業として行われてきましたが、今回、法律として体系的に支援を行うようにしました。法律のスタートは15年4月ですが、来年はその準備期間となります。

―具体的な事業の中身は。

桝屋 福祉事務所を設置する自治体は、就労その他の自立に関する相談支援を行う「自立相談支援事業」を実施することになります。

先ほども述べたように、生活保護受給者は216万人に上りますが、福祉事務所に足を運ぶものの保護要件に満たないケースが、毎年40万件ほどあります。そうした人々の相談を受け、住居確保給付金を支給したり、就労準備や一時生活支援事業を実施するほか、家計相談や困窮世帯の子どもの学習支援事業なども行います。

この法律は困窮者の自立・就労支援強化や、第2のセーフティーネット構築を一貫して訴えてきた公明党の主張を、色濃く反映したものといえます。



―先進的な事例はありますか。

桝屋 滋賀県野洲市では、困窮者に対する相談窓口として「市民生活相談課」という、生活保護とは別の総合相談を専門に行う課を設置しています。例えば、多重債務であれば弁護士に、就労支援なら庁内に窓口を置いているハローワークにつなぐなどの対応を行っています。

また、大阪府豊中市では就労支援に力を入れ、生活保護担当課ではなく雇用労働課が困窮者の就労支援に携わっています。



―今後は、自治体の対応力が問われそうです。

桝屋 だからこそ、地域に強固な基盤を持つ公明党の出番です。地方議員の皆さんの役割が大きくなります。14年度はモデル事業を行う予算も増額しました。国の緊急雇用創出事業臨時特例基金なども活用しながら、本格実施に向け各自治体で入念な準備を行ってほしいと思います。

公明党は「大衆福祉」を掲げて結党されました。結党50周年に向けて、地域の視点で住民の暮らしを守る体制づくりに全力を挙げます。

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