e震災復興に今こそ文化の力を

  • 2013.12.24
  • 情勢/社会
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公明新聞:2013年12月24日(火)付



「被災者に希望届けるために」
「五星山展」 実行委員長 大山采子さんのインタビューから



東日本大震災の復興に向け、被災者を勇気づける文化・芸術の力があらためて必要とされている。そんな中、福島県の小さなまちで企画された"大いなる挑戦"が注目を集めた。その名も「五星山展」。文化勲章を受章した日本絵画界の巨匠5人の作品を一堂に集めた展覧会だ。実行委員長を務めた大山采子さんの"証言"を交え、「文化と復興」について考える。【東日本大震災取材班 渡邉勝利】

東山魁夷、髙山辰雄、平山郁夫、加山又造、そして大山忠作。言わずと知れた日本の現代絵画界の巨匠たちである。「東山ブルー」と呼ばれる東山のあの荘厳な「青」など、極限的なその絵画美にぶるっと震えた人も多いはず。

名字に「山」の付く、そんな五人の巨星の作品35点を一堂に集めたのが五星山展。無論、本邦初の試みで、「美術界の常識を破るもの」(歌舞伎界の重鎮、坂田藤十郎さん)となった。

事実、会場となった二本松市の大山忠作美術館には、10月12日~11月17日までの期間中、予想をはるかに上回る2万人超が来場。この"奇跡の仕掛け人"が、大山忠作の娘にして女優の大山采子(芸名・一色采子)さんだ。



大山 日展や院展など所属の異なる"五山"の作品を一堂に集めるなんて、雲をつかむような話。だめもとで、ご遺族にお願いすると、「福島のために」と協力してくださったのです。



同展のサブテーマは「心の復興支援」。原発事故で、目に見えない放射線への不安を感じながら生きる福島の人に、一級の芸術を通して希望を持ってほしいとの願いを込めた。

その趣旨に賛同して、早川博明・福島県立美術館長が「心に深い傷を抱えた福島の人々にとって、計り知れない励まし」と絶賛すれば、俳優の渡哲也さんも「価値ある作品はいつの時代でも不変」として、五星山展で心の豊かさを持ってほしい、と福島の人々に呼び掛けた。



大山 本物の作品には、ものすごいエネルギーがあります。アラジンの魔法のランプのようにね。

私自身も、五大巨匠が福島の人たちとシェークハンド(握手)してくれたんだよ、ということを伝えたくて、連日、作品の解説に立ちました。足が棒のようになったけれど、被災した方々から「毎日泣くことが多かったけど、きょうは勇気をもらった」「本当に来て良かった」と声を掛けられ、そのたびに疲れも吹き飛びました。



県内の須賀川市から娘と2人、閉幕の迫った11月14日に鑑賞に訪れた望月清さん(71)も「作品を見て元気をもらった」一人。「連日流れてくる汚染水漏れなどのニュースに不安は尽きないけど、ここに来て悪いことばかりじゃないって、何だか前向きになりました」



大山 展覧会を振り返って、しみじみと思うのは、復興に果たす文化・芸術の力です。やっぱり、「人はパンのみにて生くる者にあらず」。全ての被災した方々が、単に経済的、物理的に震災を乗り越えるのではなく、精神的にも立ち直り、希望と勇気を持って生きていくために文化支援は欠かせません。



今、3.11から1000日余り。被災地を歩くと、がれきの山はほぼ姿を消し、インフラの復旧も急ピッチで進んでいる。その中で、あらためて求められているのは「心の復興なくして真の東北復興なし」との視点である。五星山展の成功に学び、被災地の隅々に、精神の復興をもたらす文化・芸術の華をいかに開花させるか。国の一層のリーダーシップが待たれている。

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公明党愛媛県本部(笹岡博之代表=県議)の党員大会が23日、砥部町内で開かれ、石田祝稔四国方面議長(衆院議員)、山本博司同副議長(参院議員)、谷合正明参院議員が出席した。

党員の白石由紀子さん、網矢透さんが活動報告を行った後、谷合氏は特定秘密保護法について、「公明党がいたからこそ国民の『知る権利』などが明確に盛り込まれた」と強調。

山本氏は消費税率10%時の導入が決定した軽減税率について「国民に分かりやすい制度設計をめざす」と力説した。

石田氏は「来年の結党50周年を勝ち開く戦いが、4月に行われる松山市議選だ」と断固勝利を訴え、同市議選に挑む現職4人、新人4人の予定候補が力強く決意を披歴した。

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