eがん医療の質向上へ

  • 2013.11.29
  • 情勢/社会
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公明新聞:2013年11月29日(金)付



公明など5党登録法案を参院提出
病院に情報提供義務化



自民、公明、日本維新の会、共産、社民の5党は28日、国主導でがん患者の情報を管理するための「がん登録推進法案」を参院に共同提出した。公明党から秋野公造参院議員が出席した。

がん登録は現在、都道府県が地元の病院などから情報収集する「地域がん登録」と、がん診療連携拠点病院を中心とした医療機関が行う「院内がん登録」などが行われている。同法案はこのうち、地域がん登録をさらに発展させて「全国がん登録」とし、収集体制を強化するもの。

現在の地域がん登録は、地域によって精度が異なる上に、登録漏れがあったり、治療後の生存確認調査も十分にできていない。さらに、患者が県外の医療機関を受診したり、転出した場合には把握が難しい状況となっている。

このため、全国のがん罹患率は25府県のみの登録情報で推計されており、5年生存率に至ってはわずか7府県の情報だけに頼っているのが実情だ。

こうした状況を踏まえ、同法案では、全国がん登録を実施するに当たって全ての病院と、同意を得て指定した診療所に対し、がん診療の過程で得られた情報を都道府県に届け出るよう義務付ける。

登録する情報は、患者の氏名、性別、生年月日、住所、がんの種類、進行度、治療内容、生存確認などとし、収集した情報は国立がん研究センターでデータベース化し、国が管理する。

届け出を行った病院などには生存確認情報を提供し、院内がん登録を強化する。届け出に応じない病院には都道府県知事が勧告し、それにも従わなかった場合は病院名を公表する規定を設けた。プライバシーに関わる事柄のため、情報は厳格に保護し、情報漏えいに対しては罰則規定も盛り込んだ。

公明党は「がん対策基本法」の制定や、がん拠点病院の整備、地域や職場でのがん検診など国のがん対策をリードしてきた。がん登録についても、正確ながん情報を集約するための法整備を進め、国全体の事業として位置付けるべきだと一貫して主張してきた。

また、同法案の作成に際しては、がん予防の観点からの公明党の主張で、がん登録の目的に医療の質の向上とともに「予防の推進」が明記された。

法案提出後、秋野氏は、全国規模での正確なデータ収集ができれば「医療の質の向上や予防の推進など、がん対策が一層進むと期待している。一日も早い今国会での法案成立をめざす」と語った。

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