e汚染水漏えい再発防げ

  • 2013.09.28
  • 情勢/社会
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公明新聞:2013年9月28日(土)付



溶接型タンクへ交換を
福島第1原発事故 作業環境の改善も要請
衆院経産委で江田氏が強調



衆院経済産業委員会(富田茂之委員長=公明党)は27日、東京電力福島第1原子力発電所の汚染水問題で閉会中審査を開いた。参考人として出席した東電の広瀬直己社長は、「(原発)事故から2年半が過ぎているが、汚染水の問題で新たな心配や不便をかけて本当に申し訳ない」と陳謝した。

同委では、公明党から江田康幸氏が質問に立ち「汚染水対策は国家の最重要課題だ」と強調。「福島復興のためには第1原発の廃炉を安全、着実に進めることが不可欠だ」とし、廃炉の工程に影響を与えかねない汚染水対策に、政府、東電は全力で取り組むべきだと主張した。

その上で江田氏は、汚染水急増の要因となっている建屋への地下水流入を防ぐため、2011年の事故直後に、当時の民主党政権と東電が山側遮水壁の設置を検討していたが、先送りしたことに言及。「なぜ先送りしたのか」とただした。

広瀬社長は「2年前を振り返ると、被ばく量の多いエリアがたくさんあり、がれきもたくさん残っていた」と述べ、遮水壁を設置する工事の施工環境面で困難があったことを説明した。

また江田氏は、貯蔵タンクから汚染水が漏れた問題について、部材の接ぎ目をボルトで締めて組み立てる「フランジ型」が数多く採用されたことを問題視。フランジ型は「当時から脆弱性が指摘されていた」とし、より安全性の高い溶接型への切り替えを急ぐよう求めるとともに、フランジ型が採用された理由を聞いた。

広瀬社長は、「フランジ型と溶接型タンクの決定的な違いは施行面のスピードだ」とし、大量に発生する汚染水に対応するため「まずはスピードを考えてフランジ型のタンクを優先した」と釈明した。

さらに江田氏は、原発敷地内での作業について「防護服は、重装備であり、大変暑く、過酷だ」と述べ、作業環境の改善を進めるよう訴えた。

これに対し広瀬社長は、原発作業員の労働環境の改善に取り組む意向を示した。

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