e2020年東京五輪 夢と感動与える大会に

  • 2013.09.10
  • 情勢/解説

公明新聞:2013年9月10日(火)付

 

日本社会の活性化と復興に生かせ

 

56年ぶりに聖火が東京へ帰ってくる。アジアで初の2度目の開催だ。

ようやく巡ってきた2020年の大会は、日本社会にとってさまざまな意義がある。1964年に開かれた東京五輪は、名実ともに先進国の仲間入りを果たす転換点になった。

20年の大会は、国、国民がスポーツの重要性やメリットをあらためて認識するだけにとどまらない。世界の視線が東京や日本に向けられる。政治、経済、文化、教育などで世界との交流が一段と深められるだろう。こんなビッグチャンスはめったにない。

五輪開催の決定は、国民に元気と自信を与える。スポーツに取り組む若者の間で、東京五輪の出場を目標に掲げる声も出てきた。長引く経済低迷の影響で、若者から元気がなくなったと指摘されて久しい。大会までの7年間、将来を担う若者の夢や希望を引き出すことも東京五輪の重要な目標だ。

障がい者スポーツのパラリンピック大会が同じく東京で実施される意義も大きい。大会会場の整備に合わせて、東京を誰もが暮らしやすい世界トップクラスのバリアフリー都市へと変える試みを加速させなければならない。

五輪開催の意義は、経済的な側面にも及ぶ。東京都は、大会を通じた日本全体の経済効果は約3兆円と推計。業種別ではサービス業が6510億円と最も顕著である。雇用創出効果も大きく、東京都で約8万4000人に上り、全国合計では約15万2000人に達する。

自公連立政権が進める経済再生策を後押しし、デフレ脱却の起爆剤ともなり得る。この機会を全国の地域経済の活性化に生かしたい。

大会の主役である選手たちの育成環境の拡充も忘れてはならない。公明党の主張で選手に対する支援が増えてきているが、世界に比べると見劣りは否めない。

解決すべき課題もある。五輪開催で各国メディアの関心が集中したのは、東京電力福島第1原発の汚染水漏れの問題だった。こうした中で、原発問題に関する国際社会の不安を解消するのは当然である。国が前面に出て事態の解決を急ぐべきだ。

東日本大震災の被災地の復興も加速させなければならない。64年の東京大会が日本の戦後復興を世界に告げたように、7年後も再び日本の底力を国際社会に示していきたい。東京五輪は閉塞感の漂う日本社会に新たな活力をもたらす大会となるに違いない。

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