e成果収めた超党派訪中団

  • 2013.08.21
  • 情勢/国際
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公明新聞:2013年8月21日(水)付

 

日中韓「次世代交流」を提案
平和的発展が究極の共通利益
手記 党国際局長 遠山清彦 衆院議員

 

8月11日から14日まで公明党、自民党、日本維新の会、みんなの党の4党から9名の若手国会議員が参加した「日中次世代交流委員会」第1次訪中団の団長として北京・天津を訪問し、中国政府ならびに中国共産党幹部らと交流した。公明党からは私のほか、竹谷とし子参院議員、伊佐進一、樋口尚也の両衆院議員が参加した。以下、その概要と成果を報告する。

大局観に立って関係改善に貢献


「日中次世代交流委員会」は、4党に加え民主党からも若手議員が参加して今年1月に発足したばかりの超党派議連である。その目的は、議連の名前そのものにあるように、若手政治家による日中間交流を再活性化し、中長期的な大局観に立って日中関係の改善に貢献することにある。

第1次訪中団を結成するに当たり、私たちは以下の3点の基本方針を決めた。(1)訪中を定例化し、両国関係がどんな状態にあろうとも交流を継続する(2)日中関係が両国のみならず、アジア太平洋地域、世界全体にとって最も重要な二国間関係であるとの前提に立ち、その改善のために貢献する(3)村山談話等に示された歴史認識を継承しつつ、次世代の若手議員らしい率直な対話交流を重視した活動を展開する。

今回の訪中日程も、中国共産党中央対外連絡部(中連部)を調整窓口として、この基本方針に沿って企画された。8月12日が日中平和友好条約締結35周年の記念日でもあり、私たちの思いを込めて、その日に北京で一連の会談を組んでもらった(私たちの訪問以外に記念行事等は一切行われなかった)。

中国側の基本的な反応は「日中関係が厳しい中、9名もの超党派若手国会議員が訪中したことを歓迎する」という友好的なものであったが、同時に「国交正常化以来41年間で、今が両国関係の最悪の時期である」との厳しい指摘もなされた。

中国政府外交部でアジア局長等を歴任してきた、中連部の楊燕怡部長助理は「中国政府は、対日関係を重視する姿勢、政策において何の変更もしていない」ことを強調しつつ、「日本側が、領土(尖閣諸島)をめぐる問題で、中国側との共通認識を一方的にほごにした結果、両国関係を決定的に悪化させた」という批判を展開した。また、私たちとの会談を終始日本語で行った知日派外交官の熊波アジア司副司長は、この問題を「のどに刺さったトゲ」と表現し、「この問題の解決なくして日中関係の抜本的な改善はない」と主張した。

私たちは、これらの主張に対し、「尖閣諸島は日本の固有の領土であり、そもそも領土問題は存在しない」ことを指摘し、議論は平行線をたどった。しかし、一方で「領土をめぐる外交上の問題が日中間に存在する」ことは認め、「外交上の問題」である以上、粘り強い対話を継続し、お互いに知恵を出して解決策を見いだす必要性を強調した。

また、両国間の国民感情が悪化していることに関連し、「中国が軍事的挑発行動に出ているのではないか」という懸念を多くの日本国民が抱いている現実も率直に指摘した。

これらのやりとりは大変厳しい内容になったが、率直な意見交換を通して、日中双方の見解の相違を具体的に認識できたという意味で、貴重な機会だったと思っている。

不測の事態避ける仕組みで一致


もちろん、日中双方で、合意した点もいくつかあり、大きな成果となった。まず、「日中間の紛争については平和的方式(手段)で解決する」という原則を確認し、その上で、不測の事態を避けるために、防衛当局間のホットラインを確立すること等の重要性などについては考えが一致した。また、FTA(自由貿易協定)やTPP(環太平洋連携協定)などを通し日中双方の経済協力を強化する点でも、ほぼ合意できた。

また、私自身が今回の訪中直前に韓国を訪問し交流してきた内容を踏まえ、「日中韓次世代交流」の枠組みを新たに立ち上げ、定例化することを中国共産党に提案したところ、非常に前向きな答えが返ってきた。既に韓国側も好反応を示しており、これはぜひとも実現をしたいと思う。

日本と中国、韓国の関係は、しばしば「一衣帯水の関係」と表現される。隣国であるが故に課題も多いが、「平和的発展」こそが究極の共通利益であることは間違いがない。そのことを今回の訪中で確信することができた。

これまで近隣諸国との平和外交で独自の実績を積んできた公明党の一員として、今後も関係改善へ向けた努力の先頭に立っていきたい。

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