tいちろう通信「59号」 平成27年7月

安全法制議論に想うこと


 衆院憲法審査会が6月4日に与野党が推薦した憲法学者3人が、民主党の質問に対し集団的自衛権の一部行使容認を含む安全保障関連法案は『憲法9条違反』と答えたことを引き合いに出し野党各党は、反対攻勢をかけようとしていますが、憲法学者の中には政府の見解は違憲でないという学者も含め、実際にいろいろな考えの方が存在します。しかしながら法案が合憲だから平和が保たれ、違憲だから平和が保たれないという事ではありません。


 日本が平和維持に対して何もしなくても周辺の安全が脅かされるリスクが急激に増大している現実に対して、そのリスクを軽減するために隙間の無い自衛のための準備をし、抑止力を高めた上で、外交力をフルに発揮することが最も理にかなっていると思います。


 今回の法整備で自衛隊の役割が拡大し、自衛隊員のリスクが高まるとの批判がありますが、それぞれの法案で自衛隊員の安全確保のための仕組みが盛り込まれています。


 何れにしても、日本が何もしなくても勝手に増大する周辺リスクの方が、今回の法整備で反対派が発生するとしているリスクよりはるかに大きいことは明らかです。


 憲法学者の間で、今まで自衛隊や日米安全保障条約が違憲かどうかという議論はあっても、我が国の安全保障環境の急激な変化を踏まえつつ、9条と自衛の措置の限界について突き詰めた議論がなされてこなかった事がむしろ問題だと思います。


 平和は観念論だけでは守れません。現下の安全保障環境をどう認識し、その上で、国民を守るためどのような安保法制を整備する必要があるのか。また憲法との適合性をどう図るのか。為政者たるものこうした議論を真摯に詰めることは至極当然だと思います。

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