e医療的ケア児 安全に保育園受け入れへ

  • 2018.08.31
  • 生活/生活情報
2018年8月31日


今年度中、ガイドライン策定 
東京・町田市


東京都町田市は今月から、医療的ケア児を保育園などで安全に受け入れるガイドライン策定に向けて、医師や保育士などとの協議会で議論を開始した。市は今年度中をめどに、ガイドラインをまとめるとしている。これは、医療的ケアが必要な子どもを育てる母親の切実な声を基に、公明党の松葉祐巳市議が議会で訴えたことが契機となった。
遠藤佳子さん(42)の娘愛弥ちゃん(4)が、1型糖尿病だとわかったのは2016年10月頃のこと。1型糖尿病は、生活習慣が原因とされる2型とは異なり、血液中の糖分をコントロールする「インスリン」が体内で分泌できなくなる原因不明の疾患だ。
当時、愛弥ちゃんはまだ2歳。血糖値を調整するインスリン注射を自分で打つことはできず、大人が代わりに打つ必要があった。とはいえ、母子家庭で平日、働く遠藤さんが、保育園に通い注射することは難しい。市に相談したものの、「保育園での医療的ケア児の受け入れは行っていない」との回答。遠藤さんは自ら市内の保育園を回ったが、良い反応はなかった。

母親の声を受け公明議員が奔走

松葉市議は、党員を通じて遠藤さんの状況を聞き、対応に奔走。市子ども生活部に直接働き掛けたほか、16年12月の定例会で「医療的ケア児の受け入れに向けて各保育園を支援していただきたい」と訴えた。
その結果、17年1月、主治医の協力なども得て、愛弥ちゃんは保育園に入園することができた。現在も支援を受けながら、元気に通っている。
市は愛弥ちゃんの入園事例を基に、医療的ケア児の受け入れ促進について、18年3月に初めて策定した「市子ども発達支援計画(第一期障害児福祉計画)」に盛り込み、協議会を立ち上げ、安全な体制の構築へガイドライン策定の検討を始めた。
「松葉市議がいてくれて良かった」と、遠藤さん。松葉市議は、「今後も医療的ケア児を育てる方の悩みに寄り添いながら、市内の医療的ケア児の受け入れ体制を整えていく」と述べた。

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