eコラム「北斗七星」

  • 2018.08.24
  • 情勢/社会

2018年8月24日



「私がここにいるのは、スポーツによって救われたからです」。20年東京五輪・パラリンピックの開催都市・東京を射止めた、あの国際オリンピック委員会総会での谷(旧姓・佐藤)真海選手のアピールである。希望をもたらすスポーツの力などに触れる姿に世界が注目した◆こうしたパラリンピアンには病や災害、内戦などから障がい者となり絶望のふちに追い込まれながらも、能動的挑戦から生まれるドラマに私たちは魅了される◆この研究分野の第一人者、藤田紀昭・日本福祉大学教授によると、卓越性の追求に加え多様性の追求という、もう一つの価値が、「スポーツ文化の内容をより豊かに拡げてくれ、パラリンピックの存在意義を確固たるものとしている」(『障害者スポーツの環境と可能性』、創文企画)と◆2年後のあす25日には東京パラリンピックの開幕日を迎える。街では多言語表示の少なさ、分かりにくさといった声もある。きめ細やかな"おもてなし"への環境整備は待ったなし◆訪日外国人の満足度上昇をめざし、意思疎通に活用できる多言語対応の翻訳アプリの研修や、障がいのある人との触れ合い体験から「心のバリアフリー」を身につける授業なども各地で始まっている。この2年を世界に誇れるユニバーサル社会実現への絶好のチャンスにしたい。(照)

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