eコラム「北斗七星」

  • 2018.08.21
  • 情勢/社会
2018年8月21日


8月もこの時期になると、そよぐ風や雲の姿に、少しずつ秋が感じられる。セミの鳴き声も変わってきたように思える◆それにしても今年は、激しい暑さに見舞われた夏だった。全国の大半の地域で、平年より早く梅雨明け。その後は猛暑日が続き、熱中症にかかる人が続出した。また、各地で大雨にも見舞われた。7月の西日本豪雨は、死者・行方不明者が200人を超え、平成最悪の豪雨災害となった◆気象庁は今年の猛暑、豪雨は、地球温暖化が影響しているとの見解を示し、「条件が重なればさらに暑い年もある。今回のような豪雨災害は、この先も起こると覚悟し、備えていくべきだ」としている◆明らかな異常気象。これまで経験したことのないような災害にどう対処すればいいのか。東京大学大学院の片田敏孝特任教授は、日本人は行政機関や他からの情報に依存しがちだと指摘し、「自分の命は自分で守る」意識を高める必要があると強調する◆今回の豪雨災害でも、災害が起きるまで避難せず、逃げ遅れた例が多い。危険を感じたら、近隣で声を掛け合って、早めに避難することが重要。「この地域は水害に遭ったことがない」などと、過去の経験に頼るのも禁物だ。台風シーズンはこれからが本番。災害に備え、まず自らの防災意識を再点検しておきたい。(千)

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