eコラム「北斗七星」

  • 2018.08.07
  • 情勢/社会
2018年8月7日


注文し過ぎた。目はまだまだ食べたいのだが、もう限界だ。ついつい若い頃と同じ分量を頼んでしまう。また妻から「もったいない」と言われそうだ◆外食についての調査。6割の人が過去1年間に料理を食べきれなかった経験がある。うち7割が持ち帰りたいと思ったものの、実際そうしたのは4割に満たない◆なぜ持ち帰らなかったのか。「持ち帰りができる飲食店なのか分からない」の5割を筆頭に、「汁こぼれや匂いが心配」「周囲の人の目が気になって、言い出しにくい」「食中毒の不安」などが続く。一見、消極的な姿勢が目立つが、持ち帰りそのものについては9割近くが賛成している(ホットペッパーグルメ外食総研調べ)◆年間621万トンに及ぶ国内の食品ロス。飲食店などでの食べ残しも、無視できない量を占める。持ち帰りを呼び掛ける地方自治体もあるため、消費者庁などが、留意事項をまとめた。そのポイントは、メニューや出し方の工夫による「食べきりの促進」と、「持ち帰りは自己責任の範囲で」ということ。刺身や半生など加熱が不十分なものは避け、早めに、もう一度加熱して食べること◆小さい頃、宴席帰りの父や母が持ち帰る、食べ残しを入れた折り詰めが楽しみだった。「うまいぞ、食べてみろ」と口にする笑顔を思い出す。(繁)

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