eコラム「北斗七星」

  • 2018.08.06
  • 情勢/社会
2018年8月4日


「夏山の 水際立ちし 姿かな」(高浜虚子)。この夏、日常の酷暑とは別世界の涼を求めて山登りをする人も多いことだろう◆日本は国土の約4分の3が山地の「山国」。そんな日本で山登りを楽しむ考えが庶民に広がったのは戦後のこと。続いて『日本百名山』(深田久弥著)をきっかけにした中高年の登山ブームが到来。2000年代からは「山ガール」と呼ばれるオシャレな女性らの姿も見られるようになった。16年には「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ための祝日「山の日」(8月11日)が新設された◆確かに山は「恵み」の宝庫だ。健康増進、ストレス発散につながる山道歩きや森林浴、山菜やキノコなどの山の幸、美しい景観の中でのキャンプ......。当然、温泉も大きな魅力だ◆だが、山には危険もある。晴れていても急に天気が悪くなることが多く、遭難や事故につながりかねないからだ。警察庁によると、昨年1年間の山岳遭難は3111人(うち7~8月は705人)で過去最多に上った◆それだけに、山に入る際は気象情報に十分注意し、熱中症対策はもちろん、予備の食料、着替え、雨具などの用意を心掛けたい。登山計画書を家庭や職場、登山口の登山届ポストに提出しておくことも忘れまい。万全の備えで楽しい山登りを、と願う。(翼)

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