e子どものネット利用 夏休み、家庭内で話し合う機会を

  • 2018.08.03
  • 情勢/解説
2018年8月3日


 ツイッターやLINEなどのSNSは、インターネットを通じたコミュニケーションの道具として、私たちの暮らしに浸透している。
 一方、SNSが犯罪に悪用され、利用者が事件に巻き込まれるケースも多い。とりわけ、情報の判断力に乏しい子どもを狙った犯罪が後を絶たない現状は憂慮すべき事態である。
 このため政府は、子どもがインターネットを適切に利用できるよう「第4次青少年インターネット環境整備基本計画」を決定した。ネットを通じた犯罪被害の防止につなげてほしい。
 3年ぶりに見直された基本計画では、地域や学校、事業者などが取り得る対策が並んでいる。
 具体的には、SNSの事業者に対し、自殺関連の書き込みなどの情報を集めている社団法人と連携し、書き込みを削除するよう求めている。自殺願望をネット上に投稿していた高校生ら9人の遺体が見つかった神奈川県座間市の事件を受けたものだ。
 国の委託によりネット上の違法サイトや有害情報をチェックする民間のサイバーパトロールも強化する。また、スマホの販売店には新規契約や機種変更の際、有害サイトの閲覧を制限する「フィルタリング」機能を説明するよう徹底する。
 児童買春や詐欺などの犯罪と子どもとの接点を断とうとする視点は重要だ。加えて、子ども自身にも備えを強めさせる必要がある。
 内閣府の調査によると、スマホなどを通じてネットを利用している10歳未満の子どもは4割近くに上る。物心ついた時からスマホやパソコンが身近にある今の子どもたちには、早い時期からネットの危険性を学ぶことが求められている。その意味で、今回の基本計画が、小学校低学年から情報教育の推進を掲げた点を評価したい。
 また、基本計画に盛り込まれたように、未就学児の保護者向けに啓発資料を作成し、注意を喚起する取り組みも欠かせない。
 この夏休み、わが子が犯罪被害に遭わないよう、ネットの利用について家庭内で話し合う機会をつくることも考えてはどうか。

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