eコラム「北斗七星」

  • 2018.08.03
  • 情勢/社会
2018年8月3日


農業王国・北海道の魅力アップをさらに。国税庁は先ごろ、地域特有の農林水産物や食品のブランドを守る地理的表示(GI)保護制度に基づき、ワイン産地として「北海道」を指定した。道内関連では、「夕張メロン」「十勝川西長いも」に次いで3例目◆ワインの原料は、道産ブドウ100%。それも57品種に限られる。醸造から容器詰めまでを道内で行い、産学官でつくる管理委員会の審査に合格した商品にのみ、「GI Hokkaido」と明記できる。その品質に国が"お墨付き"を与える格好◆道内にあるワイナリー(醸造所)は30カ所を超え、この10年間で2倍以上に増加。長い歴史を持つ十勝地方の池田町をはじめ、富良野市や余市町、近年では岩見沢市を中心とした空知地方が一大産地に。冷涼で雨が少ない気候がブドウ栽培に適すとはいえ、豪雪などの厳しい条件を乗り越えてデリケートな作物を育て、丹念に仕込んできた確かな技術と経験も評価されての今回の指定といえる◆各地とも、豊富な地場食材や観光資源と組み合わせた「ワインツーリズム」の取り組みが盛ん。「増え続ける訪日外国人客を追い風に」と意気込む◆商品の付加価値を高め、輸出促進なども踏まえたGI制度。広がった商機を生かし、地域産業の活性化につながるよう期待したい。(武)

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