eギャンブル等依存症対策基本法

  • 2018.07.19
  • 生活/生活情報
2018年7月19日


多くの命を救う一歩 
関係機関の連携を明記 地域で支える体制へ 
「考える会」田中紀子代表に聞く


公営ギャンブルやパチンコなどにのめり込み、生活に支障を来すギャンブル等依存症への対策を総合的に推進する「ギャンブル等依存症対策基本法」が6日に成立した。自らも依存症を克服した経験を持ち、現在は当事者や家族の支援をはじめ、予防教育、啓発活動を行う「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表に、法制定の意義を聞いた。
やめたくても、やめられない。人生の大切なものを失っても―。これがギャンブル依存症です。厚生労働省の調査・推計(2017年)によれば、依存症が疑われる人は直近の1年間で約70万人、生涯で依存症を疑われる経験をした人は約320万人。対策は待ったなしの状況です。
こうした中、カジノを含む統合型リゾート(IR)の議論がきっかけとはいえ、現在、既に深刻化しているギャンブル依存症に光が当たり、対策基本法が制定されたことは、とても喜ばしいことです。依存症に対する国や行政、ギャンブル産業の責務が明確となり、相互に連携して対策を進めていくことになったのです。
依存症から一人で立ち直るのは極めて難しく、日常生活に寄り添って支える人たちが欠かせません。
うつ病や統合失調症などの重複障がいを抱える人は医療機関につなげ、虐待やいじめなどのトラウマがある場合にはカウンセラーと連携。独居高齢者には地域での見守り、社会復帰をめざす人には就労支援を受けられるようにします。多重債務の問題があれば、弁護士や司法書士、金銭を得るために犯罪を犯してしまった場合は警察の力も必要になります。
今回の法制定は、こうした地域での連携を強化するための大きな一歩になります。公明党の主張を受け、基本理念に「有機的な連携」との言葉が盛り込まれたからです。
これを機に、依存症で自殺に追い込まれる人をなくし、一人でも多くの命を救っていきたい。そして、依存症の発症を減らしていきたい。そのために、予算の拡充や啓発、予防教育、患者に携わる人材の育成など、各地で包括的な対策が進むことを期待しています。

公明 当事者の声反映に尽力

今回の法整備に当たり、公明党の議員に何度も相談しましたが、当事者団体の意見を法律に取り入れようと誠実に対応してくれ、頼りになりました。その結果、依存症の本人や家族、有識者でつくる「関係者会議」の設置も盛り込まれました。関係者会議の設置で、国などが対策の基本計画を作る際に、当事者の声を反映していけると高く評価しています。
法律は、3年ごとに見直しが行われます。法律を、よりよく"成長"させ、必要な予算をきちんと確保していくためにも、公明党が主導して超党派の議員連盟を立ち上げてもらいたい。
公明党が「ギャンブル依存症対策の味方」を増やしていく先頭に立っていくことを強く期待しています。(談)

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