e大阪北部地震 現場からの報告

  • 2018.06.22
  • 情勢/気象
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2018年6月22日



住民の不安消えず



震度6弱の揺れに襲われた大阪府北部。ライフラインは復旧しつつあるものの、住民らの不安は尽きない。21日、被害が集中した高槻、茨木両市を訪れた。現場の状況を報告する。=大阪北部地震特別取材班


「子どもの暗い顔 見ると辛い」
高槻市


倒れたブロック塀の下敷きとなり亡くなった、小学4年生の三宅璃奈さんが通っていた高槻市立寿栄小学校が21日、授業を再開した。保護者らに付き添われ、児童319人が登校。全校集会では、田中良美校長が「先生たちは三宅さんのことを忘れません」と話し、皆で黙とうを行った。

「子どもたちの暗い顔を見るとつらい」。こう語るのは、発災時、事故現場に居合わせた太田憲明さん(59)。登校する姿を見守りながら、「明るい子だった。助けられず無念」と悔しさをにじませた。

同校に通う6年生の娘がいる女性(44)は「事故現場は娘も通る道だった」と話し、「この際、通学路、校内の隅々まで点検してほしい」と言葉を継いだ。

市によると、学校を含め市内で確認された建物の壁やブロック塀などの落下は21日午後2時現在、92件。建築物の「危険」「要注意」判定は同日午後6時現在、被害が集中した同市氷室町4丁目だけでも142件に上った。安心して外を歩けるよう、早急な対策が求められている。


ブルーシート 張る人手足りない
茨木市

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「心配で眠れず、雨の音をひたすら聞いていた」。地震の爪痕に染み込むような冷たい雨が降った茨木市。雨が上がった21日、同市並木町に住む女性(77)はブルーシートに覆われた自宅の屋根を見つめ、不安に過ごした夜を振り返った。

18日、地震が発生した直後、女性の夫が遠くから自宅の屋根を見て、瓦の一部がずれたり破損していることを確認。雨に備え、すぐに市役所からブルーシートを手に入れて専用の設置業者を紹介してもらったものの、作業が完了したのは21日の昼前だった。

発災から20日まで、市がブルーシートを配布した数は3117枚。一方で、屋根へのブルーシート張りができる人の確保は困難を極めたという。瓦が落ちなかったために実際に損壊していても、状況は分かりにくかった。

市内を歩くと、住民らは「雨漏りして大変だった」「大家が対応してくれない」などと困り果てた顔で語っていた。住まいを巡り現場の混乱は続いている。

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