e障がいの相談 何でも対応

  • 2018.06.12
  • 生活/生活情報
2018年6月12日


「SOSセンター」開設
面談から適切な機関へ橋渡し
群馬・高崎市


身体や知的、精神など障がいの種類や有無、年齢にかかわらず、抱える不安が少しでも軽くなるように――。群馬県高崎市はこのほど、障がいにまつわる相談をワンストップで受け付ける総合相談窓口「市障害者支援SOSセンター」(愛称・ばるーん)を開設した。障がいに特化した相談窓口を市が開くのは県内初で、全国的にも珍しい試み。
高崎市障害者支援SOSセンターは、日常生活や就労、福祉サービスなどのあらゆる不安や心配ごとの相談に対し、面談や電話で応じる。相談業務の経験がある精神保健福祉士や看護師、社会福祉士などが対応。内容によって、市の関係部署と連携するほか、障がいや相談の内容に応じて、医療機関やハローワーク、県発達障害者支援センターなどに橋渡しする。
また、市内の委託相談支援事業所から毎日1人、相談支援専門員が派遣され、障がい関係サービスの相談に対応するほか、ハローワーク職員も月2回訪れ、就労相談に応じる。
外部機関につなげる際には、同じ内容を紹介先で繰り返し説明せずに済むよう、聞き取り内容をまとめて作成する「連携シート」を共有し、円滑な支援につなげていく。
このほか、センター内には、ストレッチャー型車いすが入る相談室を3部屋設け、重度の障がい者にも配慮している。
先月9日の開設以来、これまでに160件以上の相談があった。内容は就労や障がい者に関するサービス、精神障がいに関する相談が多かった。一方、障害者手帳を持たない人が相談者全体の約半数で、担当者は「『自分に障がいがあるかもしれない』という不安がある人が、どこに相談に行けばいいか分からず、このセンターに来る人が多い」と話していた。
これまで障がいが自身にあるかもしれないと不安を持つ人や、その家族が声を寄せる相談先が分からず、アドバイスやサービスを受けられないことがあった。また、障がい者の間でも支援団体、機関が多岐にわたることから、適切な支援先につながるまで時間がかかる課題が指摘されていた。
市議会公明党(逆瀬川義久会長)は、障がいの有無にかかわらず、暮らしやすい街づくりを推し進めるため、市障害者支援SOSセンターの開設を後押し。2017年6月定例会で小野聡子議員は、センターで聞き取った情報をスムーズに引き継げる仕組みを構築するよう提案していた。
また、逆瀬川議員は、16年9月定例会で障がい者の就労支援に関して、複数の支援機関があることから、分かりやすい体制の構築を求めていた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ