eコラム「北斗七星」

  • 2018.06.06
  • 情勢/社会

2018年6月6日



食生活は時代の空気を的確に映し出す。一昔前のホームドラマには、にぎやかに家族で食卓を囲むシーンがよく出てきた。雷おやじが派手にちゃぶ台をひっくり返す場面も懐かしい。二世代、三世代同居が当たり前の昭和の一風景である◆時は移り、今では家族と一緒に朝食や夕食を取ることを「共食」というそうだ。先月末には、さらなる変化を浮き彫りにする一つのデータが示された。一日の全ての食事を1人で取る「孤食」の日が週の半分を超える人は15.3%。6年前に比べ、5ポイントアップしたとの調査結果である◆背景はどこにあるのか。2017年度版「食育白書」によると、単身の高齢世帯の割合が増えているのに加え、夫婦のみなど少人数世帯の増加も影響している。時間がすれ違えば、そうなるのだ◆もちろん、共食が全てではない。一人で楽しむ食事だっていい。ただ、少し気になることも。複数回答ではあるが「一人で食べたくないが、一緒に食べる人がいない」と答えた人が、31%を数えたことである◆共に食事をする機会が多い人は、「健康的な食品の摂取頻度が高い」(同白書)という。子ども食堂が高齢者の孤食を防ぐ役目を果たしている場合もある。カタチはどうあれ、支え合う仕組みさえあれば、望まない孤食については減らすことができる。(広)

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