eコラム「北斗七星」

  • 2018.04.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年4月21日(土)付



国内初となる民間企業主導のロケット打ち上げが今月28日、北海道大樹町で予定されている。昨年7月の初挑戦は惜しくも失敗。"リベンジ"へのカウントダウンが刻々と進む◆開発を手掛けるのは、同町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ株式会社」。「めざすのは、ロケット界のスーパーカブ」と、実用性を重視したロングセラーの原付バイクになぞらえ、最先端技術とは一線を画す"小型で低価格"にこだわってきた◆世界初の人工衛星打ち上げから60年余り。この間の目覚ましい技術革新の恩恵を最大限に活用し、頭脳である制御回路は東京・秋葉原の電気街などでも入手可能な部品ばかり。機体も特殊素材は使わず、町工場によくある工作機械で加工するなど、徹底してコストを削減した◆誕生したロケット「MOMO」には、観測用機材を搭載。高度100キロの宇宙空間へ放出し、地上では得られない生物や物質のデータ収集に役立てる。「これまでは、数億円から100億円ほどはかかった費用を数千万円に抑えることで、活用分野は大きく広がる」(稲川貴大社長)。"宇宙ビジネス"の拡大に貢献することは間違いない◆成功の先には、人工衛星の打ち上げも視野に。誰もが宇宙に手が届く時代へ道を開けるか。期待を持って見守りたい。(武)

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