eコラム「北斗七星」

  • 2018.04.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年4月11日(水)付



王貞治選手がプロデビューしたのは1959年のきょう。ぱっとしない成績が3年続いた後、転機が来た。荒川博氏が巨人のコーチになった◆荒川道場で深夜まで猛練習。でも結果が出ない。「打つ自信がない。打席に立つのが怖い」と王選手。荒川コーチは言った。「思い切って足を上げて打ってみるか」。一本足打法はこうして生まれ、王選手の代名詞となった。王さんの著書『野球にときめいて――王貞治、半生を語る』で知った◆記者生活の中で印象的な議員は多くいるが、議員になる前から記憶に残る人がいる。2003年の統一地方選を前に、この人の立候補が決まり、初めて電話した。「選挙ポスターの名前は、ひらがなを使うことにしますか?」と尋ねると「私なんかに議員が務まるだろうか」と不安を漏らした。自信のなさが伝わってきた◆当選から約1年後。議員は、党創立者の示した指針を改めて読んだ。"民衆に仕え、地域住民の手足たれ""住民のために泥まみれになって働こう"。地方議員への熱い期待に触れ、目が覚めた。以来あの電話がうそのように活躍している◆「固い壁もガンガンたたいていれば、いつか壊れるでしょう。でもやめたら、それっきりなんです」(前掲書)。自信がなくてもいい。迷いやためらいを捨て、壁をたたこう。(直)

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