eコラム「北斗七星」

  • 2018.04.03
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年4月3日(火)付



「仕事帰りの電車は、ゆっくり座りたい」。そんなサラリーマンの要望に応えて、東京圏の鉄道会社では、夜の帰宅時間帯を中心に、有料の座席指定車両の導入が相次いでいる。今年に入ってからも京王線、東急大井町線などで運行がスタートした◆JRが東海道線などの普通列車に連結しているグリーン車も通勤時は利用者が多い。本格的な人口減少に備えて、大都市の鉄道各社も単に旅客を「運ぶ」ことから、いかに快適に利用してもらえるか、サービスが問われる時代に入ったようだ◆そして大きな課題は、2年後に迫った東京五輪・パラリンピックでの輸送だ。両大会を合わせて、内外から1000万人以上の観客が訪れると予想されている◆移動に鉄道を利用するケースも多いだろう。ただでさえ混雑している東京の鉄道各線で多数の観客の安全、快適な輸送をいかに確保するのか。アクセスの良しあしは、大会そのものの印象を左右するだけに重大な取り組みだ◆2012年のロンドン大会では、市民や企業などに理解を求め、移動時間帯や経路の変更、移動の取りやめを促し、効果を上げたという。「おもてなし」をテーマに掲げる東京大会でも、来訪客のスムーズな移動を可能とするため、都民、産業界を交えた本格的な協力態勢を築くことが欠かせないだろう。(千)

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