eコラム「北斗七星」

  • 2018.04.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年4月2日(月)付



満開の桜に目を奪われて気づくのが遅れたが、いつの間にかたくさんの若葉が顔を出していた。東京都小平市の玉川上水。その流れに沿った緑道に繁る木々の枝先に、ひときわ明るい黄緑色の小さな葉が、まるで入学式を待つ1年生のように光っていた◆春に萌え出る若葉の色は萌黄色ともいう。そのみずみずしさは、玉川上水が最も生命力にあふれる新緑の季節が近いことを感じさせる。春休みの今は静かな緑道も、入学や進級した子どもたちがにぎやかに行き交うようになる。未来の大樹の健やかな成長を祈りたい◆詩人で書家の相田みつを氏の作品に「一生勉強一生青春」という書がある。同氏は生前、「一生青春を保つためには、心のやわらかさを保つこと。そのためには、具体的に何かに打ち込んでいくこと」とよく語っていたという。相田みつを美術館のホームページで知った◆「年をとって困ることは、身体が固くなるばかりでなくて、頭が固くなること、心が固くなることです。心が固くなると、感動、感激がなくなります」と相田氏は戒めている。人生100年時代。気持ちの若さを失わないようにしたい◆草木が芽吹くことを表わす「萌」という字には「始まる」「起こる」という意味もある。年齢に関係なく、春は新しいことを始める好機である。(幸)

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