eコラム「北斗七星」

  • 2018.03.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年3月22日(木)付



HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染したことによって、数年~10年後に引き起こされるエイズ(AIDS=後天性免疫不全症候群)。近年、その治療は格段の進歩を遂げた◆かつて恐れられたような「死に至る病」ではなくなり、「コントロール可能な病」になった(政府公報オンライン「ストップエイズ!」)。しかし残念ながら、このことが広く知られているとは言い難い。内閣府の世論調査にも現れている◆「適切な治療によって、感染していない人とほぼ同じ寿命を生きることができる」「他人への感染の危険性を減らせる」「薬の副作用はほとんどなく、通常の社会生活を送ることができる」「1日1回1錠で済む治療薬もある」。こういったHIV感染症/エイズの最新情報を一つも知らなかった人が3分の1を超えた◆症状を抑えることはできるが、HIVは駆逐できない。知らずに愛するパートナーや子どもに感染する恐れもある。だからこそ、重篤な症状が現れる前に、早期の治療が不可欠。全国の保健所では、匿名、かつ無料でHIV検査を受けることができる◆国内では年間1500人前後が新たに感染・発症する。その3割は、自分が感染していたことを知らずに、エイズを発症している。正しい知識を得ることが、これほど大事な病気はない。(繁)

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