e公明らしさ発揮へ 党幹部座談会(5)

  • 2018.03.13
  • 情勢/解説

公明新聞:2018年3月13日(火)付



"平和の党"の旗 高らかに
「人間の安全保障」を追求
米朝、南北首脳会談 「北」の核放棄につなげよ



西田実仁参院幹事長 8日に発表された2017年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値は実質で前期比年率1.6%増だった。バブル期以来、約28年ぶりの8四半期(2年)連続のプラス成長だ。

北側一雄副代表 いわゆるアベノミクスによる5年間の金融政策、財政出動、成長戦略が功を奏し、企業がけん引する形で好況が続くが、個人消費の拡大はまだ鈍い。

井上義久幹事長 春闘の集中回答日が14日に控えており、何とか3%の賃上げを実現し、企業の収益改善が賃金上昇、消費拡大へとつながる「経済好循環」を成し遂げなければならない。


日中国交正常化提言から50年


山口那津男代表 今年は、公明党の創立者である創価学会の池田大作・第3代会長(当時)が1968年9月8日に日中国交正常化提言を発表されて50周年。ここから歴史の歯車は大きく動き始め、新たな日中友好の幕が開いた。提言から10年後に日中平和友好条約が締結され、今年で40周年を迎える。この節目の年に、「日中は二度と戦争しない」と不戦を誓った条約の趣旨、先人の思いを改めて胸に刻みたい。

井上 中国の王毅外相は8日に両国の関係改善について「得がたい勢いが出ている」と評価した。安倍晋三首相が提案した日中首脳の相互往来の早期実現を求めたい。わが党に対し「日中関係の深化に向けて、公明党には他党よりも何歩も先を歩いてほしい」(宮本雄二・元駐中国大使)などの期待をいただいており、両国の平和友好にさらに力を注いでいきたい。

西田 東アジアの平和と安定にとどまらず、国際社会で大きな懸案となっているのが北朝鮮情勢だが、韓国と北朝鮮が4月の南北首脳会談で合意し、さらに金正恩朝鮮労働党委員長がトランプ大統領との会談を要請し、米側も応じるとも伝えられる。

山口 しかし、こうした会談が北朝鮮の核放棄、朝鮮半島の非核化につながる対話でなければ意味がない。北の変化は、制裁が一定の効果が出てきたとも考えられ、引き続き国際社会が結束して最大限の圧力を維持する必要があるだろう。北の真意と非核化に向けた具体的行動を的確に見極めることが大事だ。

北側 昨今の厳しい安全保障環境を目の当たりにすると、2015年に平和安全法制を整備したことは、国民の生命を守るために極めて大事だったと実感する。政府、与党の間で協議を積み重ね、従来の憲法解釈の根幹を維持しながら法整備ができたのは公明党が与党にいたからだ。

斉藤鉄夫幹事長代行 平和安全法制を議論していた当時、批判的主張をしていた阪田雅裕・元内閣法制局長官が、同法制が憲法の枠内に収まったことについて「公明党の力もあります」(2月7日付 朝日)と述べている。「公明党が"平和の党"の旗を降ろした」などの無理解な非難も随分受けたが、国民を守るために現実を直視し、最終的に専守防衛に徹する平和憲法を堅持し、法律となった。「戦争法案反対」「次は徴兵制が始まる」と喧伝するだけでは日本の平和は守れない。

北側 現実の安全保障環境下で、どうしたら国民を守れるのかを追求する一方で、きちんとした歯止めをかけるという両面が必要だ。それが公明党の大きな役割であるし、これからもそうだろう。今後の憲法改正を巡る議論でも、同じようなことが言えるのではないか。

井上 公明党は「国民主権」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」の憲法3原理は堅持しながらも、制定から70年以上が経過した憲法に、改正が必要になった場合、新たな条文を付け加える加憲を主張している。何を加えるべきかは、党憲法調査会で議論を深めていく。また、9条1項、2項はしっかり堅持し、「専守防衛」の理念も揺るがせにしない。そういう平和の党・公明党としての芯の通った姿勢が、国民に期待されているのではないか。

山口 公明党は「人間の安全保障」の理念に基づく政策を追求してきた。それは結党以来、党の理念として「中道」を掲げ「生命・生活・生存」を最大に尊重する人間主義を基軸としてきたからだ。国連は2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標」(SDGs)を定めているが、貧困や差別、人権抑圧といった諸課題から「誰一人取り残さない」との理念には、「人間の安全保障」の理念が盛り込まれている。

西田 公明党は政党として唯一、党内にSDGsの推進委員会を設置した。SDGsを全力で推進し、この「人間の安全保障」の理念を世界の潮流として根付かせていきたい。


地位協定問題、沖縄に寄り添う


井上 安全保障に関連する重要課題として、沖縄の基地負担問題を挙げたい。沖縄県民からは、米軍、米兵の事故や事件などが起こるたび、なぜ日本の法律で裁くことができないのか、という厳しい批判がある。2月15日の政府・与党連絡会議では、安倍首相に「真摯に向き合っていく必要がある」と申し上げた。

斉藤 日米地位協定のあり方に関して改善すべきと指摘されていることを踏まえ、公明党は沖縄21世紀委員会の下に検討ワーキングチームを設置した。沖縄県民の思いに真正面から向き合い、寄り添っていく決意だ。協定のあるべき姿について、党内で徹底的に議論していきたい。(完)

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