e障がい者と健常者 相互理解深めよう

  • 2018.03.07
  • 生活/生活情報

公明新聞:2018年3月7日(水)付



高松市で「あすチャレ!Academy」
共生社会へセミナー開催



障がい者と触れ合う楽しさを"リアル"に学ぶセミナー「あすチャレ!Academy」(主催=日本財団パラリンピックサポートセンター)がこのほど、香川県高松市で開催された。障がい者と健常者の共生社会をめざす観点から、同市でのセミナー開催を2017年9月定例会で提案していた公明党の大山高子市議のほか、田井久留美、中村秀三の両市議が参加した。


声掛けや道案内など学ぶ


内閣府の調査によれば、「障がい者との接し方が分からない」という人の多くは、これまでに当時者と接する経験がなかったことが明らかになっている。「あすチャレ!Academy」のセミナーは、障がい者と接する上での不安を解消してもらうため、(1)学習(2)体験(3)ディスカッション――の三つのステップを通して、当事者とのコミュニケーション方法を習得する内容だ。個人や企業、自治体向けに2016年11月からスタートし、パラリンピック選手らを講師にしながら全国各地で開催されている。

今回、セミナーが開かれた高松市は昨年12月、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、バリアフリーを推進する国の「共生社会ホストタウン」に登録。今年9月には「日本パラ陸上競技選手権大会」の開催が予定されている。この日は障がい者への理解を深めるために開かれ、大会関係者や障がい者団体など約40人が参加した。

セミナーでは、幼少時に突発性難聴を発症して中途失聴になった一般社団法人日本ユニバーサルマナー協会の薄葉幸恵さんが講演。自身の体験を語りながら、パラリンピック発祥の由来や障がい者スポーツの魅力を紹介した。

続く体験学習では、白杖を持った視覚障がい者に対する声の掛け方や、道案内の仕方について学んだ。「必ず『こんにちは』と声を掛けてから肩に触れる」などのアドバイスを受けながら、2人1組のペアで、障がい者と健常者の役に分かれて実践した。また、「聴覚障がい者のパートナーとデートするならどこに行くか」というユニークなテーマでディスカッションも行われ、率直な意見が相次いだ。このほか、筆談体験やスポーツに関する手話講座も行われた。

プログラムを通して当事者への理解を深めた参加者らは、「困っている障がい者がいたら積極的に声を掛けたい」「障がい者スポーツを通して多くの人とつながり、つなげたい」などと感想を語っていた。

日本ユニバーサルマナー協会の薄葉さんは「共生社会の実現には、障がい者と健常者の相互理解が不可欠。ここで学んだことを必ず行動に移してほしい」と総括した。

セミナーに参加した大山市議らは、「今後、市民を対象とした講座などが継続的な取り組みとなるように進めていきたい」と語っていた。

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