eコラム「北斗七星」

  • 2018.02.26
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年2月24日(土)付



わが国の診断書かもしれない。海外の若者や社会人の日本社会に対する衆評を1冊にした「『日本』って、どんな国?」(日本僑報社)。日本語作文コンクールの世界大会に入賞した彼らの指摘には、胸をつかれる内容が多い◆2年前の熊本地震に遭遇した中国人男性は、避難所生活で目にした「思いやりの心」を忘れないという。秋田県の大学に留学したルーマニアの男性は、相手に対する接し方に感心したと記す◆興奮と感動に浸った平昌五輪が、あす閉幕する。3月のパラリンピックが終わると、いよいよ2020年の東京大会に世界中の目が注がれていく。競技会場の建設や施設のバリアフリー化などを急がねばならないが、ホスト国・都市の担う役割や責任はそれだけで十分だろうか◆先述の作文コンクールには耳が痛い言葉も並ぶ。東京の大学に学んだ中国人女性は、過労死を生む職場の環境に疑問をぶつける。フランス人男性は、母国のレストランは禁煙だと忠告する。五輪開催中もオフィス街の明かりが夜遅くまで点灯していたり、入店した飲食店にたばこの煙が立ちこめていれば、海外の人々はまゆをひそめないか◆世界から目を向けられる国は、もっと世界に目を向けねばなるまい。そこから、素晴らしい「おもてなし」の姿が見えてくるに違いない。(明)

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