eコラム「北斗七星」

  • 2018.02.20
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年2月20日(火)付



「大正11年生れの漫才師です。体の右側はゲタ骨折、大腿骨折、右乳がん、右手首骨折、右目緑内障と大体やられています。でも舞台で踊りもしています」。お笑い界の重鎮、内海桂子さんがツイッターで自己紹介している◆毎日発信されるつぶやきを楽しみにしているフォロワーは約43万人。活躍の舞台をネットにまで広げる内海さんに世代を超えた支持が集まる。9月で96歳。人生100年時代を象徴するような存在だ◆先週、政府は「高齢社会対策大綱」を決定した。定年延長などにより高齢者が社会で能力を発揮できる環境を整備する。ただ、長寿で活躍するには健康であることが肝心。そこで気になるのは、経済格差による健康格差である◆国の調査では、低所得層ほど肥満率や喫煙率が高く、健康診断の受診率は低い傾向が見られる。健康は自己責任だからと対策を怠ると、医療費が膨れ上がり財政の圧迫にもなる。他の先進国と同様、国民の健康のために税金を投入する方が安上がりとの視点で取り組むべきであろう◆体だけでなく精神面も健やかでありたい。この点、人との絆や社会との連帯感が重要との指摘は多い。満身創痍の内海さんも「皆様が応援して下さっていると勝手に信じ込んで今後もリハビリに励みます」とツイートしている。(幸)

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