eコラム「北斗七星」

  • 2018.02.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2018年2月16日(金)付



『銀河鉄道の父』で第158回直木賞に決まった門井慶喜さんに久しぶりに会えた。メールでお祝いのメッセージは送っていたが、取材攻勢や原稿執筆で忙しく、なかなか"目通り"がかなわなかった◆著名人を取材するには苦労が付きもの。駆け出しの頃、家庭欄で著名人の日常を夫人に語ってもらう『うちの宿六さん』という連載を始めた。当時、公明党は野党。「えっ、コウメイシンブン?」と警戒され取材をよく断られた。それでも歌手の近江俊郎さん、サックス奏者の渡辺貞夫さん、クイズ番組で人気者だった学習院大学教授の篠沢秀夫さんなど10人以上の夫人が取材に応じてくれた◆日曜版に異動すると責任頁は3面に。トップ企画や『素顔』、当時連載中の小説も担当した。小説の執筆者は超売れっ子の赤川次郎さんだった。原稿を貰えるのは毎週、深夜。編集室に戻ってきても誰もいなかった◆そんな生活だったが『素顔』では『三国志』の漫画で知られる横山光輝さん、声優の城達也さん、女優の渡辺美佐子さん、宇宙科学研究所教授の田中靖郎さん、アナウンサーの羽佐間正雄さんら数十人との出会いがあった◆「『素顔』は相手の生きた言葉で書く」との当時の上司の言葉で締めれば格好もつくが、冷や汗をかいたことしか記憶に残っていない。(流)

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