eかわいい子牛 君の名は...

  • 2018.02.15
  • 情勢/経済

公明新聞:2018年2月15日(木)付



ふるさと納税返礼品に 和牛の命名権
寄付金で畜産農家を支援
宮崎・小林市



宮崎県小林市は、地元で育てる宮崎牛の命名権を昨年9月から、ふるさと納税の返礼品に加え、話題を呼んでいる。市議会公明党の鎌田豊数議員はこのほど、関係者の反響を確認するため、畜産農業を営む市内の農家を訪れた。

新たに返礼品に加わったのは、一口1万円で子牛に名前を付けることができる命名権で、名付けた子牛の写真や、名前が入った登録証明書が付いてくる。寄付金の額によっては宮崎牛のロースやサーロインステーキがもらえる。

小林市は日本一の黒毛和牛の産地との呼び声が高い。昨年行われた和牛の日本一を決める「全国和牛能力共進会」(和牛五輪)では、小林市で育った和牛が3大会連続で最高賞である内閣総理大臣賞を受賞するなど、品質は折り紙付きだ。「未来の日本一の牛の名付け親になれるかも」と、これまでに18件の命名希望があった。

市は、50頭の命名を通し、寄付者と和牛農家の結び付きの強化をめざす。市地方創生課の佐藤友和主幹は、「返礼品に高価なものを贈るだけでは、結局その場限りの関係性になってしまう。地域の生産者が手間暇をかけて育てた牛に、寄付者が名前を付けることによって、牛はもちろん小林市にも愛着をもってもらえる」と期待する。実際に、東京都に住む寄付者から「自分が名前を付けた牛に会いたいので、家族で訪れたい」との問い合わせもあったという。

寄付金は、農家支援の拡充に使われる方針だ。寄付金を活用して、若手農家の研修費用や、家畜伝染病の防疫対策費などに充て、農家が安心して仕事ができる環境を整備する。市内で和牛を育てる西水流豊さん(63)は、「最近生まれた牛には、寄付者からの依頼で『十夢』と名付けた。他にも自分の子どもの名前を付けてほしいとの要望があるなど、農家として今まで以上にしっかり育てていこうというやる気にもつながる。これをきっかけに、より多くの人に畜産の魅力を知ってもらえれば」と笑顔を見せていた。

2017年6月の定例議会で農産物など地域の資源を生かした取り組みの重要性を訴えるなど、一貫して畜産業の振興を推進してきた鎌田議員。視察後、鎌田議員は「地元が誇る和牛のPRや農家が働きやすい環境整備の充実など、これからも全力で畜産農家を応援していきたい」と語っていた。

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