e二重ローン対策 3年延長

  • 2018.01.31
  • 情勢/経済
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公明新聞:2018年1月31日(水)付



被災企業の再建を支援
公明が尽力 2月初めにも改正案成立



30日午後の衆院本会議で、東日本大震災事業者再生支援機構法改正案(議員立法)が全会一致で可決した。同日、参院に送付され、2月初めにも成立する見通し。同法案は、被災した中小企業の二重ローン問題を解決する役割を担う同機構の支援決定期限を、2021年3月末まで約3年間延長する内容。現行法の期限が2月22日に迫る中、延長を求める被災地の声を受け、公明党は早期成立をめざし尽力してきた。

東日本大震災事業者再生支援機構は、金融機関から被災した中小企業に対する債権を買い取って中小企業の負担を軽減したり、経営上のアドバイスなどを行い、事業の立て直しを支援している。

もともとあったローンの支払いに加えて、震災で新たな借金を抱え、重い負担が生じる二重ローン問題を解決するため、当時野党だった公明党が中心となって制定した議員立法に基づき、国が2012年2月に設立した。

同機構は、17年12月末時点で累計732件の支援を決定。被災企業で働く約1万4000人の雇用が守られているほか、支援先の多くでは震災前よりも収益が改善した。

被災地の中小企業支援策を検討してきた、公明党の「災害時における二重債務問題フォローアップ・プロジェクトチーム」(PT、大口善徳座長=国会対策委員長)は17年9月、宮城県を訪れ、被災事業者や地域の金融機関からヒアリングを行うなど、同機構の支援決定期限延長の必要性を調査。延長を求める多くの声を受け法整備に努めてきた。

また、復興庁が17年11月に公表した推計によると、原発事故の避難指示解除や仮設店舗からの移転、風評被害対策などの理由で、岩手、宮城、福島、茨城の4県で2602事業者が二重ローン問題の相談を希望しているという。

30日の衆院本会議に先立つ党代議士会で、大口国対委員長は「昨年末までに累計2700件の相談があったが、まだまだ需要はある」と述べ、法案を成立させる意義を強調。井上義久幹事長は、「今年3月で震災から7年になる。現場では闘いが続いていることを思い起こし、風化と闘うきっかけにしたい」と語った。


救済のニーズまだ強い


株式会社八葉水産(宮城県気仙沼市)清水敏也社長


東日本大震災事業者再生支援機構には、一部の債務免除も含めたサポートを受けています。半年前からは、同機構と共に作った再建計画にのっとり経営改善に努めています。商品開発や販路開拓、生産ラインの改善などを分かりやすくアドバイスしてくれるので、数段、経営の内容が充実しました。

昨年、気仙沼商工会議所の50社を調査した結果では、半分は震災前の債務が残っています。被災地では、がれきの撤去など、さまざまな課題があったため、これまで支援に手を挙げる余裕がなかった事業者もいるのでしょう。

アドバイスや救済を求めるニーズは強いと感じています。支援決定期限の延長はぜひ実現してもらいたいです。

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