e暮らしに安全・安心届ける

  • 2017.12.25
  • 情勢/経済
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公明新聞:2017年12月24日(日)付



2018年度本予算案、17年度補正予算案から
公明の主張が反映



政府が22日に閣議決定した2018年度本予算案、17年度補正予算案では、自公政権の経済政策による税収増を踏まえ、暮らしに安全・安心を届ける施策が、さらに充実します。教育・子育て支援や中小企業対策など、公明党の主張が反映された両予算案の主なポイントを紹介します。


教育・子育て


給付型奨学金が本格実施へ。待機児童の解消へ受け皿整備


公明党が訴えてきた教育負担の軽減が本予算案で実現します。17年度から2800人を対象に先行実施されている「給付型奨学金」について、18年度は約2.3万人を対象に費用を計上。本格実施によって、家庭の経済的な理由で進学を諦めざるを得ない子どもたちを力強く支援します。

幼児教育の無償化も前進します。18年度は、年収約270万~360万円未満の世帯を対象に保育料の軽減額が拡充されます。

待機児童の解消に向けて、約32万人分の保育の受け皿をつくる「子育て安心プラン」を前倒して実施し、18年度は約11万人分の運営費用を計上。放課後児童クラブ(学童保育)については「放課後子ども総合プラン」を前倒して実施し、18年度末までに新たに約30万人分の受け皿を確保します。

一方、過重労働が指摘される教員の働き方改革を推進。教員の代わりに部活動の指導などに当たる「部活動指導員」の配置費用を国が補助します。また、学習プリントの印刷など教員の業務を地域の人材がサポートする取り組みも後押しします。このほか、いじめや自殺防止へ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した相談体制の整備を進めます。


社会保障


子ども医療費の"ペナルティー"廃止。生保世帯の支援手厚く


社会保障も本予算案で充実させます。自治体が行う子どもの医療費助成に対し、政府は、医療費増大を招くとして、国民健康保険の国庫負担を減額する"ペナルティー"を科していましたが、18年度から未就学児までの助成分は減額しないことになりました。見直しによって自治体は無理なく助成が続けられ、浮いた財源は他の少子化対策に使えます。

難病対策では、各都道府県で拠点病院を中心とした連携体制を整備するほか、アレルギー疾患対策では、医師の育成を担う全国の中心拠点病院を支援します。

生活保護世帯の子どもの大学進学を支援するため、18年度から大学に進学する人を対象に一時金を支給。生活困窮者自立支援制度も充実させ、子どもの学習支援などを強化します。

このほか、人工呼吸器などの管理が必要な医療的ケア児の支援へ、保育所などの利用を促進するモデル事業を実施します。


中小企業


試作品開発など設備投資に補助金。事業承継支援を拡充


補正予算案では、中小企業・小規模事業者を対象にした「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業」(ものづくり補助金)として、1000億円を計上。革新的なサービスや試作品の開発、生産プロセスの改善を行うための設備投資などに取り組む企業を支援します。

後継者不在や人材不足に悩む中小企業の事業承継支援も拡充。補正予算案では、企業の廃業リスクをチェックできる「事業承継診断」を実施し、将来を考える"気付き"の場を提供します。

また、経営者の世代交代などをきっかけに、経営革新・事業転換を図る中小企業の設備投資への補助金制度も、予算額を大幅に拡充。本予算案では、経営者と承継希望者の橋渡し役を担う「事業引継ぎ支援センター」の人員拡充を行うなど相談体制を強化します。

一方、補正予算案では、事務の効率化や売り上げの向上につながるクラウドサービスなど、ITツールの導入に補助金を出す「サービス等生産性向上IT導入支援」事業に500億円を計上。商工会・商工会議所と一体となって販路開拓に取り組む小規模事業者には、補助金を支給するなど手厚く支援します。


防災減災、復興


インフラ老朽化対策を推進。学校耐震化の加速も


今年は、九州北部豪雨をはじめ、台風などに伴う豪雨被害に相次いで見舞われました。

中小企業の現場を視察する党対策本部のメンバーら=4月10日 東京・大田区補正、本両予算案では、大規模災害からの早期復旧に向けた財政措置を計上。併せて、今後の自然災害リスクに備えた防災・減災対策を強化しています。

補正予算案では、特に、被害が相次いだ都道府県管理の中小規模の河川について、氾濫防止のための河床を掘り下げる整備の実施や、観測体制を強化する水位計の設置などを盛り込みました。また、学校施設の耐震化率アップに向けた措置もさらに充実させます。

補正、本両予算案では、自治体がインフラの老朽化対策などを進める「防災・安全交付金」を拡充。地域における総合的な取り組みを集中的に支援します。

一方、東日本大震災の復興加速に向け、生業の再生など、きめ細かな支援とともに風評被害対策など福島の復興を推進します。


中小河川の観測強化に寄与
東京大学大学院 総合防災情報研究センター長・教授 田中淳氏


近年、大型台風や局地的豪雨による中小河川での人的被害が増えています。要因の一つとして、水位計の整備が十分ではなく実況観測が行き届かない上、大規模河川に比べて規模が小さいため、川の水位が短時間で急変し、事前の予測が出しにくいことが考えられます。長期的な視点で見れば、国内経済や国民の生命・財産に甚大な影響が出る大規模河川への浸水対策は、引き続き進めていくべきです。

その上で、中小河川においても、雨の予測技術の充実を図るとともに、大雨警報(浸水害)の危険度分布の活用や、今回の予算案に盛り込まれた水位計の設置といった観測体制の強化が必要です。水位情報は、避難勧告を出す判断基準の一つとして役立ちます。

中小河川といっても千差万別です。地方議員には、住民の命を守るため、地域を流れる河川の水害リスクや過去の災害をよく学んだ上で、地域に応じた防災・減災政策の実現をリードしてほしいです。


"貧困の連鎖"なくす力に
京都大学准教授 柴田悠氏


子育て支援、とりわけ保育は子どもの健やかな成長に欠かせません。特に低所得世帯の親にとり、気持ちの余裕や育児知識、就労機会を確保する上で大きな力となります。

公明党の取り組みで、まずは低所得世帯で幼児教育の無償化が進みます。母親が働きやすくなるので経済活性化にもつながり、少子化を含め日本が直面する課題の解決に効果を発揮すると期待します。

保育の受け皿拡大や前倒し確保も評価したい。待機児童解消は最優先課題であり、幼児教育の無償化に伴って子どもを保育所に預けたいという親が一層、増加すると予想されるからです。

給付型奨学金の本格実施も、教育の党・公明党の大きな成果。"貧困の連鎖"解消へ、経済的理由で進学を諦めざるを得ない子どもたちを一刻も早くなくす必要があります。

教育・子育てに真剣な公明党には、今後も私立高校の実質無償化などに向けて全力を注ぐことを期待しています。

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