eコラム「座標軸」

  • 2017.12.11
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年12月10日(日)付



「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である」。この有名な文言から始まる世界人権宣言が国連で採択されたのは、1948年12月10日。国連はこの日を人権デーと定め、人権尊重を世界に訴えてきた◆世界人権宣言といえば、宣言の起草者の一人であるアタイデ博士の偉業抜きには語れない。ペンの力で軍事独裁政権と闘い、ブラジルの民主化を勝ち取った。生涯で書いたコラムは5万本。94歳で亡くなるまで晩年も毎日3本の記事を書き続けたという◆博士が宣言を起草したのは50歳の時。その後は、ブラジル文学アカデミーの総裁を34年間務めた。1日も休むことなく仕事をし、一度も会合を休むことがなかったという◆続発する紛争やテロ、貧困、飢餓、差別、虐待......など、厳しい現実を眼前にすると、人権宣言の理想は遠くにかすむ幻のようにも映る。だが、人権宣言は人類の英知の結晶というべきものだ。断じて理想追求を諦めてはならない◆来年は宣言の採択から70年。公明党は、「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」(党綱領)の党として、人権先進国・日本の実現をめざし闘い続ける。1日も休むことなく人権闘争に挺身したアタイデ博士のごとく。

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