eコラム「北斗七星」

  • 2017.12.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年12月5日(火)付



「年末ジャンボ宝くじ」の最高賞金額が、1等と前後賞を合わせて10億円になったのは2015年から。まだ前後賞がなかった1945年の「政府第1回宝籤」の1等10万円と比べ最高賞金額は1万倍になった◆株式市場などに流れ込む世界の運用資産が、近く1京円を超えるという。1京円とは1兆円の1万倍だ。あまりに桁外れの金額に、際限なく膨張するマネーゲームの行く末を案じたくもなる◆ところが今、投資の世界に注目すべき動きがある。「ESG投資」と呼ばれるもので、世界の運用資産の約3割を占めるまでに急拡大。その波は日本にも押し寄せている。ESGとは「環境」「社会」「企業統治」それぞれの英語の頭文字で、この三つを重視して投資先を選ぶという考え方だ◆例えば、ある企業の製品について、途上国の環境破壊を招いていないか、児童労働に支えられていないか、といった点を厳しくチェックする。問題があれば投資をせず、これまで投資した資金も引き揚げる◆ESG投資の台頭は、環境や人権などに配慮している企業ほど将来性は高いとの考えが投資家に定着しつつあることを示す。宝くじの収益金は地方自治体の公共事業など社会資本の整備に充てられている。世界規模の投資活動には人類益、地球益の視点が欠かせなくなってきた。(幸)

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