eコラム「北斗七星」

  • 2017.11.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年11月24日(金)付



来年6月、北海道室蘭市と岩手県宮古市を結ぶ新たなフェリー航路が開設される。岩手県内では初のフェリー就航、室蘭市も10年ほど前から航路が途絶えていただけに、両地域ともに歓迎ムード一色。観光交流の促進もさることながら、とりわけ道内の物流業界から大きな期待が寄せられる◆理由の一つは、10時間という所要時間。トラック運転手は、乗務の合間に8時間以上の休憩を取ることが法律で定められている。乗船時間がこれより短い場合は、下船後、走り出すまでの時間調整が必要に。その意味で、"ロス"が極めて少ない航路といえる◆もう一つの理由は、急ピッチで整備が進む「三陸沿岸道路」の存在。宮古市を含め、北は青森県八戸市から、南は仙台市までの全線開通が視野に入った。首都圏などへとつながる新たな"大動脈"となることは間違いない◆北海道と本州を結ぶ物流のもう一方の主役である貨物列車は、新幹線の開業に伴って青函トンネルを共用し、当面は輸送力の増強が見込めない。ネット通販の拡大などで物流業界が転機を迎える中、新ルートの開拓は、まさに"渡りに船"といったところ◆物流効率を向上させ生産性を高めることは、今後の経済成長のカギでもある。地域の元気を全国へ届け、地域に元気を運んでくる。就航の日を楽しみに待ちたい。(武)

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