eコラム「北斗七星」

  • 2017.11.17
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年11月17日(金)付



湯気の向こうに炊きたてご飯。新米は、つや、食感、味がやはり違う。お茶わん1杯、中盛りでおよそ252キロカロリー。おかわりの回数が増え、体重が気になってきた◆昭和の初期、童話作家の宮沢賢治が書いた詩『雨ニモマケズ』に、彼が理想とした食生活のくだりがある。「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ...」。「玄米四合」は、お茶わん8杯分のボリューム。おかずが少なかった時代、コメは文字通り"主食"だった◆コメの年間消費量は、1962(昭和37)年度に1人当たり118キログラムと最高を記録した。その後、食生活が豊かになり、パンや麺類が主食の座に台頭。コメの消費は今、ピーク時の半分まで激減している◆そこにさらなる試練。食べる人の"口"が減少する「人口減少社会」の到来だ。じわりと着実に進み、国家の土台を根幹から揺るがす「静かなる有事」(河合雅司著『未来の年表』講談社現代新書)とも。100年後、推計では総人口が5000万人程度まで縮小するとされる◆50年後、100年後の日本を思う。田園風景に心が癒やされ、好きな物を好きなだけおかわりできるような、平和で豊かな国だろうか。「蒔かぬ種は生えぬ」。政治が種を蒔き、育てなければ、次世代の夢と希望は実らない。公明党は「未来への投資」に全力を注ぐ。(東)

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