e衆院選結果 識者に聞く

  • 2017.10.27
  • 政治/国会

公明新聞:2017年10月27日(金)付



緊密な協力が与党の勝因
準備不足の野党 政策、時間の積み重ね欠如
公明に政権のチェック機能
学習院大学教授 野中尚人氏



――衆院選結果をどう受け止めるか。

野中尚人・学習院大学教授 与党大勝は、自民・公明両党が小選挙区でほぼ完全に候補者を一本化して緊密に協力したのに対して、野党が分裂していた結果だ。特に、民進党・希望の党の準備不足は大きく、与党勝利はほぼ当然の結果と言える。他方、あまりにも極端な不意打ち解散から始まった結果、政策論争は明らかに生煮えとなり、国民にとって何が重要な争点かが極めて分かりにくかった。国民の選択権を奪う、こうした解散の仕方は良くない。真剣な再検討が必要だ。

――希望の党については、選挙中からガバナンス(統治力)に問題があるのではないかという指摘もあった。

野中 希望の党は、ガバナンスがあるとかを問う前の段階だ。政権交代を標榜する政党なのに、どのような組織で、どういったルールがあって、何をしたいのかが全く分からなかった。これが一番問題だ。「とにかく新党を結成しましたので、政策は後で考えます」というのはよくない。

――改めて政党の果たすべき役割とは。

野中 政党について一般の人に説明するなら、政治に対して基本的な考え方を共有している人たちが一定の長さの時間を経て組織化され存在することだ。政策や理念が一致しているだけでなく、ある程度の時間を積み重ねたものの上に成り立っている。政策も時間も、両方を積み重ねないとだめだ。

政党は、国会や政府、地方自治体などを結び付ける役割をしている。さまざまな場面で、議員によって発言が異なるというのはよくない。自分たちが議論して作り上げた政策を共有する。だから政党には一定の時間が必要だ。

――連立政権で公明党に求められることは。

野中 公明党と自民党は、安全保障問題など、考え方の異なる面もあるが、全体的な政権運営としては役割分担の形で、それなりにバランスを取ることに成功してきた。圧倒的に大きな議席を持つ自民党との連立政権で、チェック機能を果たすことには難しい面も多いが、これまでのところ公明党は、その任務をかなりよくこなしてきたとも言える。ただし、今後は憲法改正など、今まで以上に公明党のスタンスと対応が問われ、難しい局面での重い判断も必要となるだろう。覚悟を決めて臨んでほしい。

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