e水害から住民を守る
- 2017.10.27
- 情勢/テクノロジー
公明新聞:2017年10月27日(金)付
自動車道に避難階段 山形・東根市
山形県東根市の小田島地区で建設が進められている東北中央自動車道ののり面2カ所に先ごろ、避難用階段が設置された。
この近くは、最上川と村山野川の2つの河川が流れている。同市のハザードマップでは、最上川が氾濫した際、村山野川の堤防と同自動車道に囲まれている大堀区が2階の軒下まで水没する恐れを指摘。さらに、避難所に指定されている市立小田島小学校へは同自動車道を挟んで1~2キロ以上離れており、「水害が起きたら高齢者の避難が不安」との声が上がっていた。
公明党の河村豊市議は2011年12月定例会で、東日本大震災を教訓に建設中の東北中央自動車道ののり面に「水害が予想される地区に洪水避難広場を整備すべき」と提案。これを受け市は、国土交通省に避難階段の整備を要望していた。
2カ所の避難階段の最上部にはそれぞれ25人程度を収容できるスペースが設けられ、高速道路が開通した際には、ガードレールで保護される。
このほど行われた住民説明会に参加した大堀区自主防災会の齋藤秀男会長、小田島地区区長協議会の本間努さんは「徒歩でも安全に避難できるようになり安心だ」と語っていた。
雨水管見学ツアー 約80人参加 栃木・小山市
栃木県小山市はこのほど、水害への備えを市民に実感してもらおうと、横倉新田地区の治水対策の一環で進めている横倉第一雨水幹線の工事現場を見学する「体験ツアー」を開き、市民ら約80人が市職員の案内で雨水管の内部を歩いた。早期完成を求めていた公明党の西村眞治県議と佐藤忠博市議も参加した。
この工事は、1時間雨量が約60ミリの集中豪雨にも対応できるように、直径2メートルの雨水管を総延長2160メートルにわたって地下に通す内容。2015年9月の関東・東北豪雨の影響を受け、当初の予定より2年前倒しの19年7月の供用開始をめざしている。
体験ツアーは、1班15人程度に分かれ、雨ヶ谷本田交差点の立坑から雨水管内に入り、約250メートルを歩いた。ツアーに参加した横倉新田自治会の生井信夫区長は「水害の心配が減ると思うと、とてもうれしい」と笑顔で語っていた。
公園予定地に貯留施設 大阪・高槻市
地域の浸水被害を軽減するため、大阪府高槻市は先ごろ、整備中の安満遺跡公園(同市八丁畷町)の地下に雨水貯留施設を設置した。
2012年8月、同市を襲った豪雨では1時間当たり110ミリの降雨量を記録し、844件に上る床上・床下浸水被害に見舞われた。これを踏まえ、市議会公明党(吉田章浩幹事長)は議会質問や予算要望などを通じて雨水貯留施設の設置を後押ししてきた。
施設は縦66メートル、横99.7メートル、高さ4メートルの直方体の形状で、最大貯留量は、25メートルプール約55杯分に当たる2万立方メートル。付近を通る下水道幹線に接続し、大雨時に幹線が満水になると水を取り込み、天候が回復し水位が下がると排水する仕組みになっている。