e衆院選結果 識者に聞く

  • 2017.10.26
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年10月26日(木)付



安全保障、自公に託す判断
政権の"おごり"排し公約実現を
弱者目線貫く公明が重要に
日本大学教授 岩渕 美克氏



先の衆院選結果や、今後の政治動向、公明党が果たすべき役割をどう見るか。識者に聞いた。



―衆院選の結果をどう見るか。

岩渕美克・日本大学教授 野党が分裂して与党に有利と言われたが、有権者は北朝鮮問題など安全保障への関心が強かったのではないか。自衛隊を「違憲」と言っている政党に国防ができるのか。国防を任せられるのは自民、公明の連立政権しかないという有権者の現実的な選択が与党の勝利につながったと思う。

―公明党の選挙戦については

岩渕 議席を減らした公明党は、選挙戦略の失敗というよりも、野党分裂により巻き起こった「風」や「ブーム」の影響をもろに受けたという印象だ。与野党の政策は似ていて吟味するのが難しかったため、特に比例区では、風やブームが如実に表れた結果、公明党は苦戦したのではないか。

―野党はどうか。

岩渕 希望の党は小池百合子代表の発言がワイドショー化され、ブームが起きたが、小選挙区で重要なのは候補者だ。民進党出身者は政策を変えて希望の党に合流したが、それに有権者は納得できなかったのではないか。立憲民主党は、旧来の民進党支持者の底支えがあった上に風が吹いたことが議席増の要因だろう。

―選挙戦で公明党は教育費負担の軽減を掲げた。

岩渕 公明党だけではなく、自民党も幼児教育の無償化など少子化対策を訴えた。これこそ大衆福祉を掲げる公明党が与党にいる証しだろう。自民党と違い、公明党は経済的弱者などへの気配りができるからだ。

こういった政策はじわじわと浸透する。短期決戦だったので、目まぐるしく話題が錯綜し、有権者が政策を十分に吟味することができなかったのではないか。

―衆院選が今後の政権運営に与える影響は。

岩渕 基本的に政治は安定すると思う。ただ、今回の選挙結果は自民党への積極的支持というよりは、野党の頼りなさから消極的支持が多いように感じる。政権運営に、"おごり"や傲慢が見えると政権がひっくり返る危険性もある。選挙戦で約束した政策を愚直に実現することが重要だ。

―公明党が連立政権で果たすべき役割は。

岩渕 公明党の国民や弱者の目線を重視する役割は、ますます大きくなっていく。多くの議席を獲得した自民党に、おごりが見えたとしても、自民党をチェックし、歯止めをかける、場合によってはストップさせる役割が期待されている。

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