e編集メモ

  • 2017.10.05
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年10月5日(木)付



立憲民主党 民進左派の窮余の一策



希望の党に合流しなかった民進党前衆院議員のうち、枝野幸男氏を代表とする党内左派系で3日結成した新党「立憲民主党」。民進分裂を事実上決定づけた形だが、その実態は、無所属で立候補しても生き残る見通しの立たない候補者を救済するため、「希望側に選別された『排除組』の受け皿づくり」(3日付「毎日」)との印象は否めない。

当初、民進党は、希望の党への合流を了承し、多くの議員が希望からの出馬を期待していた。しかし、左派組の合流が拒まれるとの観測が流れると民進内は大混乱に。左派組から不満が相次いだ事態を受け、枝野氏が「窮余の策で新党に動いたのが実相」(同「産経」)だろう。

立憲民主党は、衆院選に向け、頓挫しかけた共産党などとの共闘を模索するという。共産は早速、候補者一本化へ一部の小選挙区で公認予定候補を取り下げた。それでも「結果として自公との『1対1』の対決構図をつくるという目標は果たせそうにない」(同「朝日」)のが実情だ。

そもそも、立憲民主党に政権を担う実力があるのかも疑わしい。政策は、民進党が掲げたものを引き継ぎ、平和安全法制の廃止も掲げるようだ。これでは緊迫化する北朝鮮情勢にどう対応するのだろうか。

その上、同党への参加者は、かつて旧民主党で政権運営に失敗した人ばかり。本をただせば社民党にいた辻元清美、阿部知子の両氏も名を連ねていることから、「第2社民党」との指摘もある。

結成したものの、公約も公認予定候補も定まっていないなど立憲民主党の準備不足は明らか。「前途は多難」(4日付「読売」)な船出になりそうだ。

(洋)

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