e「いざなぎ景気」超え 将来不安を解消し成長持続へ

  • 2017.10.02
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年9月30日(土)付



持続的な経済成長には、個人消費を一層促す手だてが必要である。

政府は9月の月例経済報告で、景気の現状について「緩やかな回復基調が続いている」との判断を示した。2012年12月から続く今の景気回復は58カ月に達し、戦後2番目に長い高度経済成長期の「いざなぎ景気」の57カ月を超えた可能性が高いという。

自公政権の経済政策により、企業収益は過去最高水準となり、賃上げの流れは中小企業にも広がってきた。有効求人倍率は史上初めて全都道府県で1倍を超えている。景気が着実に上向いていることは間違いない。

一方、景気回復に「実感が持てない」との声が少なくないことも事実である。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費に今ひとつ勢いがないのも、この点に要因があろう。

ここで指摘しておきたいのは、「実感が持てない」という理由の一つとして、将来に対する不安があるということである。

「教育をはじめ子育てには多くの費用がかかる」「自分が要介護状態になったらどうするか」といった不安感から、将来への備えを優先し、節約志向を招いていることは、容易に理解できよう。

こうした現状を踏まえ、経済成長をさらに進めるには、年金、介護、医療、子育てなど社会保障の機能を強化し、国民の将来不安を取り除いていく取り組みが欠かせない。

そこで注目したいのが、安倍晋三首相が衆院の解散理由とした、19年10月に予定される消費税率10%への引き上げに伴う増収分の使い道の変更である。

これは、増収分は社会保障の充実と国の借金返済に充てることになっているが、その配分割合を大きく見直し、社会保障をより手厚くするというものだ。公明党が、かねてから主張してきた政策にほかならない。

この政策が国民の将来不安の解消につながれば、個人消費が力強さを増し、持続的な成長に寄与することが期待できよう。

消費税増収分の使途変更は、景気・経済対策の面からも大きな意味があることを強調しておきたい。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ