eコラム「北斗七星」

  • 2017.10.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年9月30日(土)付



稲や種、そして穂。これらの漢字の偏となる<禾>は、穀物の総称として使われるという。例えば「税」の語源は、かつて稲や麦などで納税したことに由来する◆衆院が解散し、総選挙をにらんだ政策論争がスタートする。経済・社会保障分野では消費増税の是非や税収の使途が最大の争点になろう。2019年10月に予定する税率10%(現行8%)への引き上げで、約5.8兆円の増収が見込まれる。公明党は、この使い道を一定程度見直して幼児教育の無償化や返済不要の給付型奨学金の拡充などに回す。経済格差の解消や貧困の連鎖を防ぐためだ◆しかし、産声を上げた希望の党の小池百合子代表ら野党は、景気への影響を理由に増税に否定的だ。税率を引き上げず、社会保障の財源を捻出できるのか◆もちろん景気への配慮も怠ってはならない。消費税の痛税感が増せば、財布の紐は緩まない。そのために、酒類や外食を除く飲食料品全般の税率を8%のままに据え置く「軽減税率」を導入する。野党は反対、与党内でも慎重な意見が支配的だった四面楚歌のなか、公明党が勝ち取った政策だ◆納税は今、お金で行う。「禾」を「金」に置き換えると「鋭」になる。どの政党・政治家が、日本の将来を見据えた政策を掲げているか。有権者は鋭く見抜いてほしい。(明)

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