eがん発症率 地域差を予防、早期発見に生かせ

  • 2017.09.25
  • 情勢/解説

公明新聞:2017年9月23日(土)付



国民の2人に1人が患うとされる「がん」について、注目すべき調査結果が明らかになった。

国立がん研究センターが、2013年の全都道府県のがんに関するデータを分析した結果、発症率や死亡率で地域差があることが分かった。

例えば、がんの中で最も患者数の多い胃がんは、東北や日本海側、紀伊半島で発症率が高い傾向が見られた。これらは、塩分摂取の多い地域と分布が類似しているという。

また、肝臓がんは西日本で特に多く、主な原因である肝炎ウイルスの感染者が多い地域とほぼ一致した。肺がんは北海道や近畿に多いが、北海道は国民生活基礎調査で喫煙率が6回連続トップだ。

がん発症率に関する地域差は、生活習慣やウイルスの感染状況などの影響によると同センターは分析している。今後、対策を具体的に進める上で重要な視点である。

広島県や石川県など、がん発症率が高いにもかかわらず、死亡率が低い地域があることも判明した。同センターの担当者は、低死亡率の背景に「早期発見や医療体制の充実、住民の意識などがある」としている。複合的な要因が絡むだけに詳細な分析が必要だが、こうした地域の先進事例に学ぶ必要はあろう。

広島県尾道市の取り組みは参考になる。かかりつけ医と中核病院が連携し、生存率が低い膵臓がんの早期発見で成果を上げている。糖尿病や肥満など膵臓がんのリスクが高い患者への検診を進めた結果、5年生存率が20%と、全国推計の約3倍に改善した。

がん研究センターによる今回の分析結果は、都道府県が個別に行う「地域がん登録」のデータを活用したもので、初めて全都道府県の情報が比較可能な精度に達したという。

がん患者のデータに関しては、公明党が推進したがん登録推進法に基づき、国が一括して集計・分析・管理するための登録事業が16年から開始。18年末には今まで以上に正確な情報が集計される予定だ。

高齢化に伴い、がん患者は増加する。地域差に関する分析を、生活習慣の改善や診療体制の充実、17年度以降に小中高校で順次始まるがん教育など、あらゆるレベルで生かすべきである。

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