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  • 2017.09.19
  • 生活/生活情報

公明新聞:2017年9月18日(月)付



市内全23駅周辺に小規模保育所
便利な"駅ナカ・駅チカ"
2年連続待機児童ゼロに一役
千葉・松戸市



待機児童解消策を全国各地の自治体が進める中、千葉県松戸市でこのほど、市内全23駅に駅ナカ(駅構内施設)、もしくは駅チカ(駅から徒歩5分圏内)の小規模保育施設を設置する取り組みが完了した。松戸市は東京都心に通勤する共働き世帯が多い実情を踏まえ、対策に力を入れており、各種事業を通じて昨年度から2年連続で待機児童ゼロを達成した実績もある。

松戸市内の全23駅のうち、最後に駅ナカ・駅チカの小規模保育所がオープンしたのは、流鉄流山線小金城趾駅。駅から徒歩約1分の"駅チカタイプ"として「小金城趾グレース保育園ノーチェルーム」が6月、閑静な住宅街に開園し、現在1、2歳の園児12人が通っている。

定員は19人。保育士とチャイルドマインダー(家庭的な保育サービスを行う専門家)が保育を担当し、園児は園庭だけでなく、電車の鉄道沿線を散歩コースにして外遊びを楽しんでいる。保護者からは「仕事に行く途中で子どもを預けられて便利」「子どもが電車を見るのが好きなので、駅に近い保育所はうれしい」などの声が聞かれている。

同園を運営する社会福祉法人「にじの会」の杉本景子理事長は、駅チカの小規模保育の特長について、「個々の子どもたちの発達に応じてきめ細かい保育ができること。駅から近いという利点も生かして、質の高い保育を提供したい」と述べていた。

松戸市はこれまで、「東京に隣接した子育てしやすいまち」をテーマに、待機児童対策を最優先課題に位置付け、都心に通う共働き世帯への子育て支援に重点的に取り組んできた。特に0~2歳の待機児童が大きな割合を占めたため、駅ナカ・駅チカの小規模保育施設の整備に着手してきた。

このほか、保護者の相談に応じて、希望する保育所とのマッチングを行う「利用支援コンシェルジュ」や、マイクロバスで指定の施設へ送迎する「送迎保育ステーション」などのサービスを展開。その結果、16、17両年度の2年連続で待機児童ゼロを達成している。


来年4月まで さらに増設予定


市担当者は「来年4月までに駅チカを中心にさらに九つの小規模保育施設の増設を予定している。3年連続待機児童ゼロをめざしたい」と話していた。

待機児童解消策については、市議会公明党(城所正美幹事長)が14年から代表質問などで小規模保育所の整備など多様な生活スタイルに応じた保育サービスの必要性を訴えてきたほか、藤井弘之、秋林貴史の両県議と連携し、保育士確保に向けた給与補助などを進めてきた。

「小金城趾グレース保育園ノーチェルーム」を視察した藤井県議らは、「松戸市の事例を参考に、県内全域でも子育て支援のさらなる充実に取り組んでいく」と語っていた。

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