eコラム「北斗七星」

  • 2017.09.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2017年9月18日(月)付



「ダンナに家事を教えるのがまずひと苦労」「上司も子育ての大変さが分からないのよ」。酒場で聞き覚えのある声。うっかりしていた。妻が保育園時代の"ママ友"と会う場所を聞き忘れていた。家事・子育てと仕事の両立に奮闘した"戦士"たちのじゃまをしてはならない。早々に退散した◆25~34歳を対象にしたある調査では、男性の8割が共働きを期待し、女性では9割が共働きでもかまわない、と答えている。ならば男性は、北欧並みに家事を分担する覚悟が求められる。女性が働き続けるのが当たり前の北欧4国では、女性が家事をする時間は男性の1.5倍以内だ◆長年、日本では30~40代女性の労働力率(求職者も含めた就業者の割合)がその前後に比べて著しく落ち込む状態が続いた。いわゆるM字カーブだが、この10年間で大分、ゆるやかになった◆結婚退職が減った。さらに第1子出産後も仕事を続けるケースが5割を超えた。それでも、出産を機に退職する女性は4割を超える◆意欲がありながら、女性が辞めざるを得ない状況は、社会にとって、何よりその本人にとって大きな損失だ。保育サービス充実のスピードを加速しなければならない。と同時に、男たちの働き方改革も急がれる。子育てを妻に押しつけてきた後悔とともに、そう思う。(繁)

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